S&P 500は再びじり高モードに

Shen

S&P 500はサンクスギビングが明けても静かなじり高が続いた。

週明けはメガテックがアウトパフォームしたが、後半になると半導体が息切れしてソフトウェアとテスラだけが上値追いを続けた。雇用統計前は一度警戒らしき動きも入ったが値幅は限定的であり、雇用統計を特に特色もなく通過すると限定的なインプライドVol低下となった。

HYスプレッドもインプライドVolも低下が続く。実際の値動きもだんだん小さくなってきている。もしVolコントロール等機械のポジショニングが軽ければ上値追いが入るところだが、ちょっと前のデータでは軽くない。最新のポジショニングは流れて来なかった。

ガンマプロファイルは6200までガンマロングであり、あまり動かない現実を説明する。一部の人は6200を超えたらメルトアップの可能性について考察しているが、さすがに遠いだろう。大統領線としていた5860の近辺でガンマショートに転ずる。

大統領選を境に非米株から資金が米株に逃避的に流入している。ETF、投信フローでは米株に過去最大の資金流入となった。

EPSは年後半の低下から横ばいになったことで、ロールアップだけで指数が上がれるようになった。PERはもちろん高く、PERが25を超えたことで益回りは4%を割れ、米国債利回りを下回っている。

株式の出来高は大統領選前後と比較して減ってきたが、個人投資家が出来高に占める割合が高まって来た。

レバレッジETFのうちインバース型は不調で、ブル型が人気になっている

本来12月は個人投資家のタックスロス・セリングの季節である。

2年連続でS&P 500が20%以上上昇したことになりそうだが、これが3年続いた前例はドットコムバブルだけである。

NAAIMもGSセンチメントも値動きの割りには調整しており、上値追い警戒感は少し剥落する。

テクニカル。新たな示唆はなく、引き続き5963が週足サポートとなる。JPMカラーのコールがある6055より上は年末まで重いと考えていたがあっさり突き抜け、キリのいい6100に阻まれている形となる。引続き値幅より日柄であり、買いの利食いはFOMCからブラックアウト入りが始まる中旬あたり、売り直すなら1月というところではないか。


編集部より:この記事は、個人投資家Shen氏のブログ「炭鉱のカナリア、炭鉱の龍」2024年12月7日の記事を転載させていただきました。