La Malle やまなみ:伯備線で岡山へ

11月24日に旅した岡山県北部地方。

旅の終わりは新見駅から人気の新型やくもで帰ろうかなぁと思っていたんですが、この日まで開催されていた芸術祭に合わせて走っている臨時列車に目をひかれ、今回はこちらを利用することにしました。

それがこの「La malle やまなみ」。普段は尾道や日生、瀬戸大橋線を渡って琴平までを結ぶリゾート列車ですが、芸術祭の時期は岡山の山間部を縫うように走る伯備線でその雄姿を見ることができました(今はもう運転終了しています)。

出発駅となる新見駅ではこんな手作りの旗をプレゼントされ、一緒に旗を振ってほしいと促されました。この列車が新見にやってきたのは初めてのことで、気合のほどがわかります。

窓枠もカバンの図柄!

このリゾート列車のヘッドマークにはカバンが描かれています。この列車の正式名称は「La Malle de Bois(ラマルドゥブワ)」。フランス語で「木のカバン」を意味します。かつてヨーロッパでトランクとして使われた木のカバンをモチーフにしており、木をふんだんに使った車内で自らもカバンで運ばれながら旅をしているかのような気持ちに浸ることができる列車です。

車両の片側はカウンター席。反対側は2人席となっています。カウンター席も木を使ったシックなデザインになっています。

芸術作品を車内で楽しめるのもこの列車の特徴です。こちらはパラパラ漫画。蓮沼 昌宏氏の「連絡船の物語」という作品で木の取っ手をもって回すと絵が動いているように見えてきます。楽しくて何度も回してしまいます。

座席の上に造られた本棚には旅にまつわる内外の図書が並べられていて車内で自由に読むことができます。この列車が主に走る瀬戸内エリアに関する本が多いようです。

こちらにもカバン。

この列車が主に走っている瀬戸内地方はサイクリングが盛ん。とくに広島県尾道市から愛媛県今治市を結ぶしまなみ海道は、多くのサイクリストが瀬戸内の島に向かって走っていきます。La Malle de Bois ではそんなサイクリストのために4台ですが自転車を乗せることができるスペースも用意しています。

2両編成の車両に一角には、お土産品やグッズなどを売るショップもあります。今回わたしはここでお弁当を予約しており、それを受け取りにやってきました。

それがこの旅の小箱。車内で開けようかと思いましたが、この列車は16:16新見発、18:20岡山着。晩御飯にはやや早いので、岡山からの新幹線でいただきました。

御開帳!

ばら寿司にままかり、黄ニラのお寿司。どれも岡山の名物ばかりです。駅で買ったビールも、岡山の地ビール独歩。岡山の味をこれでもかと味わうことができました。

La Malle de Boisの車窓からは、この日で見納めの沿線の景色。絹掛の滝(新見市)の付近では列車は徐行するので、紅葉に彩られた滝の姿を存分に楽しむことができました。この日はやや流量が少なかった感があります。

もっと滝を堪能したいのであれば、新見駅から一駅の井倉駅から歩いて12分ほどのところにある井倉洞の滝は、よりダイナミックでおススメです。車窓からは見ることができませんが、La Malle de Boisは特急やくもが停まらないこの駅にも停まってくれるのでここから乗車して岡山に向かうこともできました。

列車は薄暮の備中高梁にも停車。備中松山城を観光した人たちを乗せて倉敷、岡山へと向かいました。木のトランクの中で揺られ2時間。特急やくもの倍の時間をかけて走りますが、やくもでは得られないゆったりとした時間の流れを感じることができました。

La Malle de Boisの新見への運行は終わりましたが、岡山を中心に瀬戸内地方を走ります。年明けには琴平に向けて走るようですので、2025年最初の旅行はこの列車でこんぴらさん参りなどはいかがでしょうか?

note始めたての頃に、尾道からこの列車に乗っています。その記事も合わせてご覧ください。

3 「カバン」に乗ってBon voyage! 〜瀬戸内リゾートトレインの旅|ミヤコカエデ(Miyako Kaede)
先週、尾道に旅をした帰りに乗ったこの列車。 主に瀬戸内地域を走るLaMalledeBois(ラマルドゥボワ)というリゾートトレインです。座席さえ空いていれば当日でも切符購入可能です。 フランス語で「木の旅行カバン」という意味のこの列車。その名の通り高級感あるフローリング床など、木をふんだんに使い、どこかに旅行に出か...

編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年12月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。