
結局のところ、ご本人がどう言い訳をしようと、外目には独裁体制を作りたいとしか見えていないのが、石破茂だった。
安倍晋三元総理が指摘したように、やはり、この男だけは総理にしてはいけなかったのだ。
その安倍晋三大勲位の言葉を無視し、自民党所属国会議員の多くが、自民党総裁として石破茂を選んだ。それまでの世論調査で常に次期総理として名前が上がっていた石破茂に期待した自民党議員は多くいただろう。
裏金問題で信頼が地に落ちたと言われる自民党において、起死回生の一手としての石破茂総裁、石破茂総理だったに違いない。
しかし、現実は残酷で、人気があると思われた石破茂を以てしても、二度の国政選挙で自民党は敗退した。
石破茂は、自民党のトップとして選挙結果に責任を取るべきだったが、彼の選択は地位に固執することだった。五度にわたる自民党総裁戦出馬は、彼が地位に固執し続けたことの証左だ。
自民党議員の多くが、それまで石破茂を自民党総裁に選ばなかった原因はただ一つ、石破茂は将の器ではないと思われていたからだ。
記憶力のよく、勉強熱心で、得意のネバネバ口調で簡単なことを難しく表現することに長けていた石破茂は、テレビコメンテーターや地方巡業で高齢者を籠絡することは得意だったとしても、政治の世界の将の器は持ち合わせていない。石破茂が自民党議員や地方議員から信頼と信任を得ていたなら、とっくに自民党総裁になっていただろう。
しかし、度重なる総裁選出馬でも彼は選ばれず、世間の声に反して周りから仲間はいなくなっていった。
裏金問題は安倍派を筆頭に、マスコミと野党とその支持者の餌食になったとも言える。
安倍憎しのマスコミ、野党議員とその支持者は、これ幸いと自民党叩き、安倍派議員叩きに精を出し、結果的に自民党はそれらの声を抑え込むことが出来なかった。
その世間の声を跳ね返すには、世間で人気があるとされる人に託すしかないのだが、政治の世界、政治の機微を知らない有権者は石破茂に期待したとしても政治のプロである議員は、石破茂に期待などしていなかったが、背に腹は変えられず、総裁選で石破茂を選択してしまった。
石破茂は、自分自身も人気があると勘違いしていたので、衆院解散に打って出たが、実はマスコミが作った虚像の人気は、世論調査など吹き飛ぶくらい自民党に逆風となった。つまり、マスコミの石破茂人気は虚像だったのだ。
本当に石破茂が有権者に人気があり、期待されていたなら、衆院選、参院選の結果にはならなかった。
マスコミの世論調査がいかにアテにならないかが如実に事実となって示されたのが、二度の国政選挙の結果だ。
つまり、毎日新聞や朝日新聞の世論調査より、選挙結果の方が確実に世間の声を反映させている。選挙結果こそが、最も正しい世論調査であるとも言える。
その最も正しいと解釈される世論調査である選挙結果に抗い、総理総裁の座に固執したのが石破茂だ。
石破茂は、二度の国政選挙の結果について、自民党トップとしての責任はあると言いつつ、選挙結果を受けて辞任しようとはしなかった。言葉はともかく、国政の停滞を起こしてはならないと、自らの進退については言及していない。
アメリカとの関税交渉を持ち出そうが、近々起きるとされる南海トラフ地震を持ち出そうが、世間的には組織のトップが責任を取ろうとしない態度は、有権者の目に、どう映っただろうか?
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以後、続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。






