iPhone17が発表されました。一種の年中行事のようなもので私のように2年契約をしている者としては今回は入れ替えを求められる年なので年始にはゲットするのでしょう。ほとんど興味もないしスマホを十分に使いこなしているわけでもなく、ただ単にハードウェアのサブスクというか、セールススキームに乗せられているだけな気がします。かといって機種変更はデータの問題もあり、アンドロイドに移すのは相当のバリア。とすれば一種の抱き込み商売なのでしょう。一方、技術の進化にはついて行かねばならないのも事実。そういう意味では実にワクワクしない投資なのかもしれません。
では今週のつぶやきをお送りします。
誰がこんな株価を演出した?
正直、株価狂騒曲だと思います。私は会社の決算が近いこともあり、今週、北米銘柄の総資産額の15%に当たるメジャー入れ替え戦を行いました。秋のクラッシュのリスクが頭にあるので現金率は高めていますが、自動車関連など製造業や一部資源株などを売却、買ったのはHigh Performance Computing (HPC)銘柄や銀採掘会社、更にカナダ原油採掘会社、REIT、上場投信も入れています。金関連銘柄は一旦手じまった後、価格が落ち着いたところで再度市場参加すると申し上げた通りで若干手持ちがありますが、金銀比率から銀銘柄にシフトしました。目先、鉄鉱石も悪くないと踏んでいます。
カナダのカーニー首相が経済対策の一環として大規模投資案件を発表しました。多くが資源関係です。カナダでは液化天然ガスのアジア向け輸出が7月から開始されましたが、これを2倍のキャパシティにするといった内容も含まれています。私が感じるのは世界中がアメリカに頼ってばかりいちゃだめだという意識の芽生えであります。そのため取引国の多様化戦略が進むとみています。そこには新たな無限のマーケットがある、という切り口の面白さ、斬新さこそが投資家が積極的になる理由があるのではないかと考えています。
金利などテクニカルな理由もありますが、春はトランプ氏に振り回されたけれど夏休みにじっくり考えて新たな戦略で進む、という感じでしょうか?日本については引き続き、M&Aが目玉になると思います。個人的にはまだ相当の業界整理が必要で日本の上場会社はざっくり3割減らしてもよいと思います。今の資本市場からすると日本の新興市場銘柄なんて世界水準で見れば吹けば飛ぶようなもので足腰を鍛えるためにも「M&Aされたら勝ち組」ぐらいの感じになってもよい気がします。
AIサマサマ
とにかくAIの普及がすさまじいです。アルバニアでは不正対策でAI閣僚が選ばれたとか。身近なところではLINEのメッセージ入力にAI機能が搭載されました。メッセージに対する回答をAIが変わって書いてくれるわけです。それも「ため口」とか敬語とか選べるようですが、発想としては既に一部のEmailにそのような機能がついているのでその延長線だと思います。街の声は賛否両論だそうですが、数行のテキストメッセージをAIに頼るようになったら人間の文章作成能力は終わると思います。
それはともかく、私が注目しているのはAIを開発するためのバックグラウンドであるデータセンター、そしてその電力供給であります。日本を含め、いま、最も熱いのがデータセンター。そしてそこに電力供給がなければただの箱だと考えれば最終的にAIを支えるのは電力である、というのは自明であります。そして上述のカナダ首相の投資計画には小型モジュール炉(SMR)による小型原発も入っています。日本では箱は出来ても電力なしという状況で電力供給までに10年待ちもある(日経)そうです。データセンターが一部の地域(千葉県の印西あたり)に集中すればそりゃ電力は足りないでしょう。またデータセンターは停電時に備えた蓄電技術が重要になり、そのあたりの制度改革やインフラが外国に比べてスピード感が遅いと見ています。
私はAIとは付き合い方について慎重に構えています。もっともスマホやパソコンにはいつの間にかAI機能が搭載されたりしてその勢いに押されやすいところもあります。1万年かけてようやく今の水準に成長した人間は人間が作ったAIに淘汰されるとも揶揄される中で容易に飛びついてよいか、社会がもう少し揉む必要があります。上述のLINEのAIによる返事について街角では「AIの返事だと温かみがない」と。つまり使い手ではなく、受け手への配慮も必要なのです。KY(空気読めない)対策でAI返信を送ったらJKの皆さんはどう反応するのでしょうね?若者の感性を聞いてみたいものです。
自信をつけたのか、プーチン氏の変化
中国での一連のイベント、及びウラジオストックで毎年開催される東方経済フォーラムを終えてプーチン氏は何か方向性を掴んだように見えます。ポーランドへのドローンの領空侵犯は私には意図的としか思えません。ではなぜ?ここがプーチン氏の変化ではないかと思うのです。ウクライナ侵攻を始めた当初は歴史的背景を踏まえた地域紛争であり第三次大戦にはならない、と私の意見を述べました。その流れは概ね当たっていたとは思うのです。プーチン氏は領土に関しては黒海に繋がるルートを確保すれば十分だったと思うのです。これが2014年頃から続いている問題の根本でした。
ではウクライナを2022年に改めて攻めたのは何故かといえばプーチン氏がゼレンスキー氏を嫌いだったからだと思うのです。そんな軽薄な理由のわけないだろう、と思うかもしれません。が、プーチン氏はロシアを守るために忠誠を誓う「お仲間」が必要であり、それに背くなら痛い目に合わせるという姿勢でした。その最大の懸念はNATOなのでしょう。プーチン氏がNATOを意識する発言は当初から全くブレていません。故にそれに加盟したいゼレンスキー氏は絶対的な敵であるわけです。
ゼレンスキー氏が思った以上に粘るので別手段でNATOの脅威を抑える一環でプーチン氏がポーランドに「お試しドローン」をした可能性はあり得ます。ではプーチン氏がその自信をつけた理由ですが、私は中国、インド、そして北朝鮮を含む仲間たちとの結束が深まり、自信を取り戻したのではないかと見ています。またNATOの基盤である米国と欧州諸国との関係、さらには欧州内部での危機感の共有とその姿勢に大きな温度差が出てきていることは重要です。そして先日もお伝えした通りフランスは国内問題で収拾せず、マクロン氏が外交に大きな影響力を発揮できないという弱点を見抜いているとみています。プーチン氏の火遊びをどう止めるのか、悩ましいところです。

上海協力機構の首脳会議に出席したモディ印首相とロシアのプーチン大統領、中国の習主席 クレムリンHPより
後記
バンクーバーで首相や国賓などが利用するレストランを数多く所有する方とコーヒー談義をした際、バンクーバーの日本食レストランはどうかと聞いたところ「評価できるところはない」と手厳しい返事。彼の所有するレストランの1つに寿司バーがあり、そこは知る人ぞ知る店。彼が理解できないのは寿司バーで数万円を払うビジネスモデルのようです。彼の店の寿司バーは大型レストランが連結していて寿司バーはオマケでレストランで質の高い寿司も注文できるという仕組みを主力としています。カナダで寿司バーで顧客と板前さんが会話を楽しむというコンセプトは遠い気がします。魚の品質ばかりではなく、顧客へのエンタメをどう表現するかという次元にあるのかもしれません。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年9月13日の記事より転載させていただきました。






