
大阪府の南部、岸和田に来ました。
紅白の横断幕が駅前に飾られています。そう、今日は全国的にも有名な岸和田だんじり祭りの日です。電車が到着するたび多くの観光客が降り立ちます。だんじりといえば岸和田と思われがちですが、実はだんじりとは西日本地方で山車を指す言葉で、だんじり祭りは関西地方のいたるところで行われています。なぜ岸和田のだんじりが有名になったかといえば、「やりまわし」と呼ばれる方向転換。その勢いのよさは他の追随を許さず、時に電柱や民家の屋根を壊すほどです。

角の仏像が破壊防止のために養生されてミロのヴィーナスのようになっています。
ときに見物客もけがをするといわれる日本一荒っぽい祭り。どんなものか一度見てみたいと思い、今回機会を得て岸和田を訪れ、だんじり祭りを見物することにしました。

だんじりは全部で22基。9月14日はそれぞれの神社に宮入りが行われたあと13時から市中の道路を曳き回されます。上の地図で赤く塗られた道路を、各町会のだんじりがそれぞれ決められたコースで回っていきます。だんじりは角を曲がる勢いの良さが最大の見どころなので、交差点に見物客が集中します。

だんじりが宮入りする岸城神社でお参りを、と思いましたがすでに規制が張られていて神社に行くことはできず、撮影地に向かうことにしました。わたしが陣取ったのは岸和田港交差点。通称「カンカン場」と呼ばれる場所です。やりまわしが一番よくみられる場所らしく、有料の桟敷席も設けられていますが、どうもお高いらしくだんじり曳行が始まっても人影はまばらでした。
岸和田のだんじり祭りは岸和田城の城主岡部氏が伏見稲荷を城内の三の丸神社に勧請し、その後に祭りを行なわれるようになったことが始まりといわれています。やりまわしは昭和初期ごろから行われるようになり、狭い旧街道を走り、競争するようになってしばしば衝突、けんかやけが人がでるようになりました。これを解決するためルートを整理し、今のような形になっていきました。

13時開始予定でしたが、少し早く12時45分ごろから曳行が始まります。いよいよカンカン場にだんじりが迫ってきました。


曲がるときに巧みに右から左に飛び移ります。勇気がないとできない技です。

遠心力に振り落とされないように、バランスを取りながらカーブを曲がっていきます。一組だけバランスを崩しかけた人がいたのでひやっとしました(汗)

だんじりの頂上で勇壮に舞う姿は祭りの華

こちらは別の交差点。だんじり祭りといえば力強い男の祭りというイメージが強いですが、縄の引手は女子も多いです。成年女性はおらず、18歳以下の女性が数多く参加しています。

狭い交差点をスピードを上げて曲がるだんじり。これぞ祭りのハイライト!
お祭りは動画じゃないと臨場感が伝わらないと思います。久しぶりに動画を作成したのでお祭りの様子をお楽しみください。

帰り際にもだんじりとすれ違います。
曲がる場所では規制が敷かれているのでこんな近くには寄れません。

土曜の曳行は午前と午後、日曜は午後起こなわれます。だんじりは22基が何度も町内を巡るので、短い時間でも結構な頻度でだんじりがやりまわしをする姿を見ることができます。
時間のない人は駅前にもだんじりが来るのでそれを待つといいと思います。ただ、だんじりが駅前に来るということは当然規制が張られているということ。遠回りしないと電車には乗れませんので、帰路はご注意を。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年9月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。






