アメリカでは10月1日、連邦政府の予算が失効し、一部の政府機関が閉鎖に追い込まれた。これは2019年以来の大規模な政府閉鎖であり、約75万人の職員が一時帰休となる事態に発展している。今回の問題は単なる行政上の手続きの遅れではなく、移民政策をめぐる民主党と共和党の深刻な対立が背景にある。そのため閉鎖の影響は公共サービスや市場だけでなく、アメリカの政治システムの機能不全を象徴する出来事となっている。
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政府閉鎖の規模
10月1日から連邦政府の予算が失効し、約75万人の職員が一時帰休に追い込まれた。給与は閉鎖終了後に保証されるが、1日あたり約600億円分の支払いが止まる。 -
影響範囲
社会保障や安全保障といった必須業務は継続されるものの、国立公園、空港運営、パスポート発給など多くの公共サービスが停止。特に航空便の遅延や空港検査官の無給勤務が深刻化する恐れがある。 -
経済的影響
1週間続くごとにGDPの0.1%が失われると試算もあり、旅行や観光業の打撃、政府契約の支払い停止による中小企業への影響も大きい。重要な経済統計(雇用統計・CPIなど)の発表も延期され、市場の不透明感が強まる。 -
党派対立の背景
民主党は医療保険補助の延長を求めるが、共和党・トランプ陣営は不法移民向けの医療支出削減を強硬に主張。双方が譲らず妥協点は見えず、来年の中間選挙を意識した駆け引きが続く。 -
政治・社会の反応
労働組合は「労働者を政治の駒にするな」と批判し、商工会議所も「国家安全保障に有害」と警告。格付け会社も米国の格付けにマイナス要因と指摘している。世論調査では共和党に責任があるとする回答が最多だが、民主党にも批判が及ぶ可能性がある。
米政府閉鎖は、単なる一時的な予算不成立ではなく、移民政策を中心とする党派対立が背景にある政治闘争である。トランプ政権はこれを「勝利」と演出しようとする一方、民主党は支持率低下の恐れから譲歩できず、膠着状態が続く。閉鎖が長引けば経済指標の公表停止や失業増加などの負の連鎖が拡大し、アメリカ国内だけでなく国際経済にも波及しかねない重大な局面にある。

民主党による政府機関閉鎖! ホワイトハウスXより






