独裁者になるための必須条件
独裁者を目指す者にとって、司法とメディアの支配は不可欠である。スペインのペドロ・サンチェス首相は、まさに独裁者への道を歩んでいる。彼は現在、憲法裁判所長官、検事総長、一部の検事、そして複数の報道メディアを自らの支配下に置いている。
独裁への道を進むサンチェス首相
スペインは1978年、フランコ独裁体制に終止符を打ち、民主化への道を歩み始めた。しかし7年前、社会労働党(PSOE)のペドロ・サンチェス氏が内閣不信任案を可決させて首相の座に就いて以来、状況は変わりつつある。
今日では、フェリペ6世国王までもが彼の影響下にあるかのような印象を与え、立憲君主制から独裁制への道を進んでいるように見える。
サンチェス政権と「世論調査の大ウソ」
今月13日、スペイン国立統計局(CIS)が発表した10月の世論調査が波紋を呼んだ。同局は、与党PSOEの支持率を34.8%、野党国民党(PP)を19.8%、第3勢力である右派政党ボックス(VOX)を17.7%と発表した(10月13日付「OKデイアリオ」より)。
しかし、これは「政府のための虚偽統計」と批判されている。サンチェス首相の夫人や弟、さらに現・前検事総長、組織委員長ら27人が汚職で起訴されており、首相が国民の前に姿を見せれば罵声が飛ぶのが現実だ。そのような状況下でPSOEの支持率が上昇することは考えにくい。
一方、スペインで最も信頼される世論調査会社GAD3の調査では、PPが32.5%、PSOEが28.2%、VOXが16.4%と発表されている(10月1日付「デモクラタ」より)。この比較からも、CISの数字が作為的であることは明らかだ。
うそをついて高給を得る統計局長
次期総選挙ではPPが勝利し、VOXの支援を得て過半数を獲得するとの見方が広がっている。政権交代はほぼ確実とされる中、CISが「偽りの世論」を流す目的は、有権者を惑わせるためである。
同局のテサノス局長は、こうした偏向した調査を繰り返し発表しながら、年俸10万ユーロ(約1750万円)を受け取っている。CISはかつて中立的な機関だったが、サンチェス政権の発足後は政権寄りの姿勢を強め、虚偽の統計を公表するようになった。
その結果、国民からの信頼は失墜し、政府内部でさえ信用されていない。にもかかわらず、政府の影響下にあるメディアは依然としてCISの結果を報道し続けている。しかし、今回の調査結果はあまりにも虚偽が過ぎるとして、独立系メディアから激しい批判が巻き起こっている。






