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スペインでは毎日誰かが欠勤している
スペインでは就労者数の6.5%、即ち150万人が毎日欠勤するという統計が出されている。
欧州連合(EU)の平均は4.7%となっている。例えば、ドイツ(4.8%)、イタリア(4.8%)、フランス(5.5%)となっている。スペインはEU代表3か国を大きく上回るほど欠勤者が多いということになる。
欠勤で一番多い理由は病気(50.8%)、2番目が仕事への不満(33.9%)、3番目が労働意欲の喪失(30.6%)となっている。2番目と3番目の理由はうつ病にも関係している場合が往々にしてある。
一見、陽気に見えるスペイン人であるが、うつ病を患っているスペイン人は非常に多い。物質主義者が多く、その一方で精神面の脆さが目立つ。(11月2日付「ディアリオ・デ・タラゴナ」から引用)。
多くのスペイン人にとって月曜日の出勤は最悪
また11月3日付「OKディアリオ」が、スペインのスーパーマーケットでは月曜日に従業員の4人にひとりが欠勤する傾向にあることが問題になっていること報じている。
それは就労者数の23.5%に相当するそうだ。しかも、それが2023年に比べて4.58%増加していると指摘している。この傾向は2018年から毎年増加しているそうだ。
同様に週末だと9.5%に相当する就労者が欠勤するという。しかし、それは月曜日の欠勤率に比べ遥かに少ない。
週末にエンジョイし過ぎだ
月曜の欠勤率が高い理由に、週末の憩いを愉しみ過ぎて疲労が身体に重く伸し掛かったり、仕事に対する責任感への欠如が理由のように思える。しかも、それに加えて問題なのは、スペインでは食事の時間が遅すぎるということもある。スペインの昼食は1時半頃から始まる。夕食になると、夜の9時以降だ。
だから外食だと夕食が終わるのは早くとも11時すぎとなり、翌日月曜日の出勤には十分に睡眠を取れないということになる。それが欠勤に結びつくことになる可能性は高い。レストランでも夜9時から開始というのが大半だ。
最近は外人観光者の急激な増加も影響して夜8時すぎから食事ができるようなレストランもあるが、一般的には9時以降は大半だ。だから、この夕食は日本だと夜食という感じだ。
以上のように書いて行くと、スペイン人は怠慢な国民のように思われるかもしれない。実際はそうではなく、良く働く国民だ。終末でも必要とあらば躊躇することなく働く国民である。






