自民党圧勝で「トランプ高市」の超バラマキ財政が始まる

各社の世論調査では、自民党が300議席に迫る圧勝の勢いだ。その最大の原因は中道改革の迷走と国民民主の自爆テロだが、高市首相は自分に対する支持だと受け止めて自信を深め、積極財政をさらに進めるだろう。

佐賀県の演説で、高市首相はこう続ける:

積極財政なんかやってたら経済がおかしくなる。そんなことをおっしゃる学者もいるけれども、そうじゃない。経済のパイを大きくしなかったら、何もできないですよね。今この縮み志向を打ち破る、そのためのチャレンジ。必ずそれは税収になって戻ってきますよ。

つまり積極財政に対する批判は「私をつぶしたい人」の陰謀で、聞く気がないというのだ。ではだれのいうことを聞くのか。「外為特会ウハウハ」と言った高橋洋一氏などネトウヨ・リフレ派の話だ。

「積極財政」で金利は上がり、円は安くなる

実際には、高市氏が積極財政をいうたびに長期金利が上がり、円安が進行している。金利平価説では金利が上がると日米金利差が縮まって円が上がると考えるが、高市政権ではその逆が起こっているのだ。

この原因は、日銀が国債を買い支える金融抑圧を続けているからだ。日本の長期金利(10年物)は2.3%と先進国では最低だが、「本当の金利」は10年債の10年先物(10年後の価格の取引)で見ることができる。

Robin Brooks

日本以外の国では現物と10年先物の金利差は1%以内なのに、日本だけは先物が4.6%で、現物より2%以上高い。日銀は今でも毎月6兆円ぐらい国債を買い入れ、特に10年債を多く買っているので、その金利が不自然に低いのだ。

先物は日銀とは無関係なので、長期金利は4%に近づくと債券市場は予想しているわけだ。金利が4%を超えると国債価格は額面の半分になり、政府の利払い費は30兆円を超える。それを避けるために日銀が国債の買い入れを続けると、円が市場に供給されて円安になる。

無知でわがままな重商主義者

つまり政府と日銀は金利上昇か円安かという二律背反に直面しているが、高市首相は明らかに円安を容認している。しかし需給ギャップはほぼゼロなので、積極財政は経済成長をもたらすのではなく、民間投資をクラウディングアウトし、インフレを悪化させるだけだ。特に最近は人手不足がひどく、大阪万博では関西の建設事業が止まった。

この状況でバラマキ財政を続けると金利が上がり、それを止めるために日銀が国債の買い入れを増やすとインフレになって円がさらに下がるが、「円安でホクホク」の高市首相にはそれを止める気がない。彼女はトランプと同じく「円安で輸出が増えたら豊かになる」と思い込んでいるからだ。

このような批判も高市氏にとっては「私をつぶしたい人」の陰謀なので、総選挙で圧勝したら、2027年度予算に向けて超バラマキ財政が始まるだろう。これはトランプが変な取り巻きのいうことだけ聞いて、関税強化などの支離滅裂な経済政策を続けるのと似ている。日本にもトランプと同じ無知でわがままなな重商主義者が生まれたのだ。