墓場からよみがえった「戦後リベラル」のゾンビが成仏した

戦後リベラルの終焉 なぜ左翼は社会を変えられなかったのか (PHP新書)

今回の総選挙は、自民圧勝というより中道改革の惨敗だった。しかも公明党は議席を増やしたのに、立民党は1/3以下に減る空前の惨敗だった。これを見ていろいろな論評があるが、私が思い出したのは2015年に書いた『戦後リベラルの終焉』という本である。

これは慰安婦問題で朝日新聞の社長が辞任したとき書いた本で、朝日のように社会主義と一国平和主義を混ぜた日本型の戦後リベラルが死んだという趣旨だったが、この死亡宣告は早すぎた。朝日新聞はこの年に安保法制反対の大キャンペーンを張り、死んだと思われた戦後リベラルのゾンビが墓場から復活したからだ。

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これはそれまで右傾化していた朝日の論調を逆転させるもので、社内でも驚きをもって受け止める向きが多かったが、長谷部恭男氏などの左翼知識人が結集し、シールズなどの団体が現れ、60年安保のような盛り上がりを見せた。

しかし選挙では反安保勢力の票は伸びず、安倍政権は安泰だった。安保反対運動は活動家の「ガス抜き」で、大衆の支持はなかったのだ。このような護憲左派が、民進党のアキレス腱だった。彼らを切ると党が分裂するので、彼らを少数派に追い込むために、前原代表は小池百合子氏の希望の党と合併しようとした。

ところが小池氏が「左派を排除する」という意図を公言したため、排除を恐れた枝野幸男氏などの左派が立憲民主党をつくった。これは当初は枝野氏ひとりの党だったが、左派の活動家を集め、希望の党を逆転してしまった。これが成功体験となり、ゾンビだった戦後リベラルはまた復活したのだ。

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