アメリカはイラクを本気で攻めるのか?

イラン情勢がきな臭くなってきました。日本では遠い国の遠い話で一般の方の話題にはなかなか触れないのですが、トランプ氏があと10日か、待っても最大15日と言っているので今月末から来月上旬に堪忍袋の緒が切れるというわけです。

一体何がどうなっているのでしょうか?

2つのエレメントがあると思います。

1つはイランに対する長年の経済制裁の影響で国内経済が疲弊し、国民の不満が溜まっています。かつてはアメリカ嫌いのイラン人だったのですが、近年、その矛先の一部がイラン政権に向かっていることはあるでしょう。先般のデモも含め、政権批判を公然とするケースが外部に漏れ伝わる状態にあり、政権のグリップが効いていない状況にあります。

もう1つはアメリカとイランの核開発問題をめぐる交渉が今一つしっくり来ていないことです。双方の高官による高いレベルでの交渉が続いており、イランのアラクチ外相は交渉が進展していると述べていますが、これはイラン国内向けのリップサービスだとみてます。確かに大枠の話は進展もあるようですが、個別の具体的な合意は進んでおらず、トランプ大統領はこれにいらだちを見せているわけです。

トランプ大統領とハメネイ師

イランののらりくらり作戦に対して、米艦隊を周辺海域に集結させ、砲をイランに向けて合意を迫るやり方はかつての戦争における常套手段の一つです。そして交渉窓口のアラクチ外相は代弁者に過ぎず、ハメニイ最高指導者の顔色を伺いながらの伝言者に過ぎません。イラン側はやられたらやり返すと報復を宣言していますが、これもブラフに近いものがあり、どこまでやる気を持っているか、私は疑問視しています。

数日前にこのブログで「イランをアメリカが『口撃』していますが、私はイランがアメリカに立ち向かう力はないとみているのでこれも戦争にはならないとみています」と書かせていただきました。この見方に変わりはありません。もちろん、全く報復がないとは断言しませんが、大人と子供の戦いのようなものであり、アメリカの後ろにいるイスラエルが「(イランが報復すれば)想像もできないような反撃」をすると宣言しています。

私の見方ではイスラエルの諜報部隊モサドがイラン政権中枢や心臓部の相当深いところまで入り込んでおり、状況は手に取るように把握しているとみています。よってイランとしては戦うどころの騒ぎではないというのが私の見方です。

ではアメリカは最終的にイランをどうしたいのでしょうか?もちろん、核開発の完全停止、弾道ミサイル開発の制限、代理勢力とされるハマス、フーシ、ヒスボラなどへの支援を断ち切ることが交渉上の話ですが、個人的には革命的政権交代を狙っているのではないかという気がします。つまりハメニイ師が逃亡し、新体制の下、より民主的国家樹立を模索させるのではないかという気がします。

では誰が、という質問があると思いますが、個人的には消去法でパーレビ元国王の息子でアメリカに在住し、反体制活動と世俗的民主主義を訴えるレザ パーレビ氏を担ぎ上げる可能性はあると思います。

レザ氏は16歳の時にイラン革命があり、父親の行動や考えをしっかり受け継いでおり、イランの一般大衆を指導力を持って再建させるには絶好のような気がします。

仮にアメリカの目論見が全部うまく行くとします。ではアメリカ何のためにこんな戦いをするのでしょうか?アメリカは世界の警官じゃない、と言いながら今やっていることは警官のはるか上の特殊部隊のようなことをしてアメリカの目の敵を次々と潰しています。まだやりたい国はいくらでもあるでしょう。キューバなどは完全なる兵糧攻めでいつギブアップしてもおかしくありません。コロンビアも落としたいところでしょう。次いでパナマをアメリカの自在に動かせる国にすることでアメリカ大陸の統制プランは確立します。

一方、中東についてはイスラエルにアメリカに代わる「目付」とし、徹底的な取り締まりを行い、必要に応じて武力行使もいとわない様にさせます。すると残りは中国とロシアだけ、ということになります。ただ、トランプ氏が中国の無力化を図るとは現時点では思えません。アジアはアジアの論理があることを知っているからでそこまで手出しするかは読めないところです。ロシアについてはアメリカは利用価値があるとみているので「操りたい」と思っているのではないでしょうか?

少なくともトランプ氏は外交に関しては力量がある点は認めるべきでしょう。どんな形であれ、トランプ氏のような破天荒な大統領は早々出てこないと思います。ならば今のうちにやらせるだけやらせる、という考え方もあるでしょうね。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年2月20日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。