日本の観光振興を妨害するライドシェア規制

内藤 忍

O2O Creative/iStock

海外に出かけると移動にストレスがかからないのは、ウーバー(UBER)やグラブ(GRAB)といったライドシェアサービスが普及しているからです。携帯のアプリから呼び出せばすぐに来てくれて、目的地を指定して事前に料金もわかり、決済もオンラインでできます。

スーツケースのような大きな荷物を持って電車やバスに乗らなくても良く、説明しなくても目的地にダイレクトに運んでくれるのはとても安心で便利です。

特に空港に到着してホテルまで移動する時は、初めての土地勘のない海外であれば大きな荷物を持って公共交通機関に乗るのは大変だし不安です。また荷物を盗まれたりするリスクもあります。

日本にもウーバーという名称のサービスはあるものの、ライドシェアではありません。実態はタクシーと変わらないサービスであり割高な料金になっています。

例えば成田空港から東京都心にタクシーに乗ると目的地の場所や時間帯でも変わりますが2万円以上は覚悟しなければなりません。

海外のウーバーを使って同じ距離なら、恐らく半額以下のはずです。

これは日本がライドシェアを規制緩和によって自由化しないのが原因だと思います。競争原理が働かないから料金が下がらず、タクシー業界の既得権益となっているのです。

規制緩和しない理由としてタクシードライバーではなく一般の人が運転すると事故率が高いとか、顧客とのトラブルが起こるといった説明をしているようです。

しかし少なくとも私はこれまでウーバーのようなサービスで事故やトラブルに巻き込まれたことはありません。逆にタクシーでは国内で乗車中に追突事故も複数回ありましたし、ドライバーとトラブルになったこともありました。

利用者からみたリスクはほとんど変わらず、むしろ評価ポイントがある分ライドシェアサービスの方が安心です。

国内でライドシェアサービスが開放されていないデメリットは割高な料金だけではありません。

タクシー運転手が集まりにくい地方では移動手段が制約されてしまいます。観光地に行きたくても交通手段が無かったり、あっても割高。これが観光振興を阻害します。

私は日本経済を再生させるのは積極財政や成長戦略ではなく、まず規制緩和からだと思っています。

ライドシェアだけではなく医療や農業など既得権益を守るためだけの規制はやめて欲しい。そう思うのは私だけでしょうか?


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年2月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。