4月1日から自転車青切符制度が始まりました。違反をしたら罰金となるわけです。その項目113。多分、警察官だって全部を熟知していないのではないかと思います。なぜこんなことになったのかを含め、私見を述べます。

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青切符制度を導入することはかなり昔から議論されていたことでそれがいよいよ施行されるのが今回であります。昔から警察は自転車と歩行者の事故が漸増し続ける状態に懸念を示していました。特に歩行者との事故の場合、99%自転車側に非がある、ということになっています。
では歩行者との事故のケースです。私が東京でママチャリに乗り続けてきた限りのケースで見れば1つはスピードの違いです。特に朝の通勤時間帯は駅に急ぐ人が必死の形相で自転車をこぐシーンは日常茶飯事です。次に日中の場合、高齢者が多く歩いていることよりもスマホを見ながら歩いている人の歩行が真っすぐではなく、自転車で追い抜く時、スマホを見ている歩行者が勝手に自転車の方に寄って来る場合のほうが厄介です。
次に私が声を大にしたいのは歩道に面したところで店舗を経営されているケースの問題です。これは2つあり、1つは自分の店の敷地より歩道に大きくはみ出して商品を陳列しているところがあること。もう1つはそれらの店に来る客が自転車をその店の前に置くことです。それにより歩道は人が行き来するのが精いっぱいになるほど狭められ、当然、事故の発生確率は高くなります。特に店舗でも八百屋や食料品、ドラッグストアなど日用必需品を売っている店は常習的にはみ出しており、なぜ警察や行政が放置するのか、これが分かりません。
自転車は車道を走る、これは私は大いに結構だと思っています。ただし、それが走りやすければ、という条件を付けます。私はロードバイクも乗りますので当然、車道を行くわけです。この問題点は駐車中のクルマをどう避けていくのか、であります。ロードバイクならスピードは出ますので走行車両とのスピードギャップが少ないので自転車を走行車両側に寄せて駐車車両を追い抜くことはさほど難しくありません。ただ、ママチャリでは結構しんどくなります。もう1つはその駐車車両の運転席が突然開いてぶつかりそうになったことがしばしばあることです。あれは本当に怖いもので、昔、車両が突然ドアを開け、それに自転車が激突して大事故になった話も聞いたことがあります。
車道走行のもう一つの問題点です。東京都では車道に自転車通行のマークがついているのですが、交差点で右折レーンがある場合、その自転車マークは消えるのです。車道の幅が十分に確保できないからです。私はそれでも側溝の幅があれば通り抜けられますが、ママチャリでは難しいでしょう。もう1つはマナーの悪い自動車ドライバーです。乗用車や時にはトラックに幅寄せされることがあります。自転車に乗りながら「こいつはキチガイか?」と思うほど大型トラックがわざとすれすれまで寄せていくのです。
昔から日本は歩行者と自動車にはしっかりした通行路を確保されてきましたが、自転車はいつもそのアンコになり、中途半端な位置づけでした。今回も自転車青切符と称してアンコである自転車に大幅なルール厳格化を義務づけたわけです。
ここバンクーバー市は環境配慮型の都市で、30年も前から街中に自転車道路を作り続けました。その総延長距離は480㌔。これが拡大バンクーバー圏まで入れると5000㌔もあります。基本的に車道を一つ潰し、縁石を積み、分離させたうえで自転車専用レーンとするのです。ある意味、豪快とも言える手法で導入当初は「やりすぎだろう」と思ったこともありますが、今では笑ってしまうぐらい自動車の肩身が狭くなり、感化されてしまいました。
つまり切符を切りたいなら自転車の安全走行ルートも担保してほしいと思うのです。日本の車道の使用は走行と停止中のクルマ、さらにはバス停が中心であり、自転車が安全に車道を走行できる環境が充実しているとは全く思えないのです。また、ヘルメット着用についても警察が警察の都合で決めたようなもので、ママチャリのお母様がヘルメットをかぶることを強制させるのはそもそも無理があることが分かっているのにやったという行政都合だけの話のように見えるのです。
関連の報道を読む限り、今回の青切符導入も現場の警察官の任意の判断を大方針にしており、軽微なケースの多くは指導に留まるとされています。とはいえ、春の交通安全運動期間は警察官が街に繰り出して指導啓蒙活動されるのでしょう。「113もの項目、知りませんでした」で当面は済まされるかもしれません。だいたい、全項目を網羅したリストはよく探さないと出てこないのです。
行政も警察も世界の主要都市が自転車を主要な移動手段としてその安全確保に努める動きを長年やってきている中で無策に近い状態で罰則だけどんどん作るのもどうなのかな、とは思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年4月2日の記事より転載させていただきました。







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