「うなぎの成瀬」は「いきなり!ステーキ」になれるか?

内藤 忍

数年前に「うなぎの成瀬」という激安うなぎチェーンがフランチャイズで急激に成長したことがありました(写真も同店のウェブから)。最近、私の知り合いからこの「うなぎの成瀬」にフランチャイズ加盟したものの、採算が合わず撤退したとの話を聞きました。

鰻の成瀬HPより

調べてみると2022年9月の1号店オープンから急成長し、わずか3年足らずで店舗数は一時380店舗を超えました。

実は私も数年前に噂を聞いて汐留にあるお店に出かけ食べてみたことがあります。でも、こちらのブログに書いたように残念ながらもうリピートは無しとの判断になりました。

確かに成瀬のうなぎは価格面では魅力的ではありましたが機械化された工業製品のようなうなぎで、専門店の職人が作るうなぎとは別物と考えた方が良いでしょう。

海外で短期間に育てられた大ぶりのニホンウナギを、電熱式の調理機で焼き上げるやり方で高級店と同じうなぎが作れるはずがありません。

しかも人気店になれば似たようなやり方で大手外食チェーンが参入してきます。参入障壁が低い業界ですから先行者メリットはあっという間に消えてしまいます。

結局、経営環境が悪化し2026年3月末にはAIフュージョンキャピタルグループにより子会社化され実質的な「救済買収」となりました。

店舗数も減少し、拡大一辺倒のフェーズからスクラップ&ビルドのフェーズに変わっています。

似たような経緯を辿った外食店としてはいきなり!ステーキが思い出されます。こちらも急激なチェーン展開を行い海外上場も果たしましたが、収益性が悪化。事業売却を行い現在は店舗数を縮小し事業を継続しています。

以前のような勢いはありませんが、お店に行ってみると絶え間ない改善が行われて、サービスクオリティも向上していることがわかります。

うなぎの成瀬もサービス面の問題を解決し、価格に見合った価値を提供できれば再び人気化する可能性があります。

材料のうなぎのクオリティは変えられなくても「安かろう悪かろう」ではなく「安かろう良かろう」を目指して復活して欲しいものです。

鰻の成瀬HPより


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年4月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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