トランプ大統領は対イラン戦争に関する国民向け演説を行った。演説の冒頭では、NASAのアルテミスII有人月周回ミッションの成功を祝福した後、米軍による対イラン軍事作戦「オペレーション・エピック・フューリー」の開始から1か月が経過したとして、作戦の進捗を報告し、軍事目標の完了が「間近」であると宣言した。

演説するトランプ大統領 ホワイトハウスXより
作戦の成果
トランプ大統領は、4週間の作戦でイランの海軍は壊滅し、空軍も機能不全に陥り、弾道ミサイル能力も大幅に削減されたという。イスラム革命防衛隊の指揮系統も解体が進んでいるとし、「歴史上、これほど短期間でこれほどの損害を被った敵はいない」と強調した。また、イランが誰も保有しているとは思っていなかった兵器を保有していたことが判明したが、それも含めてすべて破壊したと述べた。一方で、作戦中に13名の米兵が戦死したことにも言及し、ドーバー空軍基地を2度訪問して遺族と面会したと語った。「任務を完遂することで彼らの犠牲に報いる。遺族の全員が『どうか仕事を終わらせてください』と言っていた」と述べ、作戦継続への強い意志を示した。
作戦の背景と正当性
トランプ大統領は、イランが47年にわたり「アメリカに死を、イスラエルに死を」と叫び続けてきた「狂信的政権」であると断じた。1983年のベイルート米海兵隊兵舎爆破事件、路肩爆弾による米兵殺害、USSコール攻撃、そして2023年10月7日のイスラエルへの攻撃への関与を列挙し、「こうしたテロリストが核兵器を持つことは絶対に許容できない脅威だ」と主張した。また、イランが自国民の抗議運動を弾圧し4万5000人を殺害したとも述べた。
さらにトランプ大統領は、自身の第一期政権時代の対イラン政策として、ソレイマニ司令官の殺害とオバマ前大統領のイラン核合意からの離脱を挙げた。「オバマは17億ドルの現金を飛行機で運んで敬意と忠誠を買おうとしたが、彼らは笑っていた」と述べ、今年6月には「オペレーション・ミッドナイト・ハンマー」でB-2爆撃機によりイランの主要核施設を壊滅させたと説明した。しかしイランはその後、別の場所で核開発を再開しようとしたため、今回の大規模作戦に踏み切ったと語った。
ガソリン価格上昇と経済への影響
国内でのガソリン価格上昇については、イランによる商業タンカーへの攻撃とホルムズ海峡封鎖が原因だと説明した。米国は「ドリル・ベイビー・ドリル」政策によりサウジアラビアとロシアを合わせた産油量を上回る世界最大の産油国であり、ベネズエラからの供給も加わることで中東の石油に依存しない体制が整っていると強調した。「米国はホルムズ海峡からの石油をほとんど輸入していないし、今後も必要ない」と述べ、価格上昇は一時的なものだと訴えた。ホルムズ海峡を通じて石油を輸入している国々に対しては、「自らの手で海峡を守れ」と呼びかけた。
今後の方針とイランへの警告
今後2〜3週間で「石器時代に戻るほど」の激しい攻撃を加えると予告する一方、イラン側との交渉が継続中であることも明らかにした。もし合意に至らない場合は、発電施設への同時攻撃を示唆した。石油施設については「最も簡単な標的だが、再建の可能性すら与えないことになるため、あえて攻撃していない」と述べつつも、その選択肢は残されていると警告した。
また、イランの旧指導部はほぼ壊滅し、新しい指導部は「より穏健で合理的だ」とも述べており、体制転換を目標としていなかったものの、事実上の指導部交代が起きたという認識を示した。核施設については衛星監視を継続しており、再建の動きが見られれば即座にミサイル攻撃を加えると明言した。
歴史的文脈と同盟国への謝辞
トランプ大統領は第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争などを引き合いに出し、今回の作戦がわずか32日間でイランの軍事的脅威を事実上無力化したと主張した。「中東の暴君はもはや暴君ではない」と述べ、イスラエル、サウジアラビア、カタール、UAE、クウェート、バーレーンなど中東の同盟国への謝意を示した。
最後にトランプ大統領は、「この作戦が完了したとき、米国はかつてないほど安全で、強く、繁栄し、偉大な国となるだろう」と述べ、核の脅威から解放された未来を展望して演説を締めくくった。







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