ビジネスで大きな成功を収める人たちを見ていると、彼らを突き動かす真の動力源は世間で言われるような「夢」や「志」といった綺麗な言葉だけではない気がします。むしろ、その最大のモチベーションは「コンプレックス」ではないでしょうか。

今月6日に亡くなられたゼンショーホールディングス創業者の小川賢太郎氏(写真)の訃報記事を読んでそう思いました。
東大を中退し全共闘運動に身を投じ挫折したという大きな屈辱。そして吉野家での後の社長となった阿部氏との対立の上の退社。吉野家を見返したいという強烈なコンプレックスが外食産業で圧倒的な存在感を示していこうという執念の源泉となったのは間違いありません。
ソフトバンクの孫正義氏にも、似たものを感じます。巨大なエネルギーの背景に深いコンプレックスを抱えてきたように見えるのです。自らの出自に悩み、何としても世界を驚かせたいという渇望が一代で大きな企業グループを作り上げ、今なお頂点を目指す飽くなき野望の根源となっているように感じます。
さらに、出版界の風雲児である幻冬舎の見城徹氏も同様です。五木寛之さんと仕事がしたいと思い、すべての作品を読み込んで感想を五日以内に書いて手紙で出すことを25回続けて会うことができ作品を書いてもらった。そんな「圧倒的努力」の源泉として「暗い情熱」や「コンプレックス」を語っています。
3人に直接聞いた話ではありませんから、ここまでの話は全て私の想像です。しかし成功者たちが共通して持っているのは、負の感情を自分を大きく成長させる最大のバネに転化してしまう力です。これこそが天才の天才たる所以ではないでしょうか。
小川氏、孫氏、見城氏。彼らのように、自らの醜さや弱さを直視し、それを巨大な富や権力へと変換し続ける生き方こそが、男性が持つポテンシャルを最大化させる唯一の道に見えてきます。
そう言えば、勉強も運動も中途半端でモテなかった高校時代に3年生の秋から半年間だけ死に物狂いで勉強したことがあります。それもコンプレックスが原動力でした。振られた女の子を見返してやりたいという気持ちがマグマのようなエネルギーとなって大学入試で思いがけない結果を引き起こすことになったのです。
コンプレックスは決して悪いものではありません。そのエネルギーを他者へのネガティブな行動に浪費するのではなく、自らのポジティブなアクションに結び付けることができれば通常ではできないことを成し遂げる大きな原動力となるのです。
コンプレックスこそ使い方によっては実は最も価値のある資産にできるのです。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年4月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。







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