信長が歴史を動かす源となった場所、清洲城へ

JR清洲駅。
愛知県民であり、清須市に隣接する稲沢市にいとこが住んでいる私。
言っていいですか?

駅から徒歩15分で清洲城。
清洲城初訪問です!
うちの親は旅行とか外出とか本当にしない人たちでしたので、親戚縁者が清洲城のすぐそばにいようがそこにいこうという話は全く出ませんでした。私はその反動で大学から全国さまざまな場所へ出かけて行ったのですが、遠方中心に訪問していたため足元は意外と穴があり、清洲城は55歳にして初めて訪問することとなったのです。

鉄ヲタなんで鉄道の豆知識を話させてもらうと、清洲駅は清須市ではなく微妙に越境していて隣の稲沢市にあります。JR東海さん、正確に清洲駅の所在地を稲沢市と明記しています。
なお、さっきから「清洲」と「清須」が混在していますが、現在の清須市は「須」であり、平成の大合併前の清洲町は「洲」の表記でした。「きよす」という地名は古来からありましたが、清洲町の町域よりもはるかに広いエリアを清須と呼んでいたことから、春日村や新川町、西枇杷島町と合併した際に広域を示す「清須」と名乗ることとなったそうです。

清洲の名を全国に轟かせたのは戦国武将の織田信長です。清洲を拠点にして遠江などを支配していた今川義元を討った桶狭間の戦いは戦国時代の歴史を変える合戦となりました。復元後の清洲城は立派な天守を持つ城となっていますが、信長時代の清洲城は天守はなく、平城だったといわれています。
本能寺の変で織田信長が死亡したのち、継嗣問題及び領地再分配に関する会議「清洲会議」が行われた場所としても知られています。

清洲城のあるすぐそばを新幹線が通る。
城の目の前には五条川が流れています。低地で川や沼地の多いこの場所は水運に恵まれており、城や城下町も川の周辺に開けました。今は静かな町ですが、かつては京や大坂に次ぐ大きな町で、関東の巨鎮と称されるほどだったといいます。

天守閣の最上階では金の織田信長が大好きだったという舞、「敦盛」を踊っていました。1560年、桶狭間の戦いでは清洲城で出陣前にも敦盛を踊っていたといいます。

天守閣から名古屋の町を望む。
ただ、水利に恵まれているのと裏腹に川の氾濫に悩まされていたことや、水攻めに遭うと戦いが不利になるということ、天正地震で城を含めた周辺が液状化したことなどから城と城下町もろとも名古屋に移転することとなりました。これがいわゆる「清須越し」です。
1612年から1616年までの間に、清洲城とその周辺の商人たちは皆名古屋城のもとに移転していき、清洲には農民などわずかな住民しか残りませんでした。一時は廃墟化した清洲ですが、間もなく美濃路に宿場が形成され「清須宿」ができて復興を遂げています。
清洲は太古の昔から住みやすい町だった・朝日遺跡

小高い丘は貝塚。
清洲城から10分ほど歩いて、小高い丘のようなもののある広場にやってきました。ここはあいち朝日遺跡と呼ばれる場所。弥生時代、清須市や名古屋市北部の一帯には人が多く住みつき、生活を行っていました。人骨や貝殻、生活用品など多くの生活をうかがわせるものが発掘されています。
清須といえば清洲城くらいしか知らなかったのですが、こんな古くから人が住み着いていたとは驚きです。この辺りは低地で川が多く流れていたことから水を得やすかったのでしょう。

園内には当時の生活を偲ばせる住居が復元されていたり、

弥生時代の稲作の様子を再現する田んぼも作られていました。この時代の遺跡は静岡の登呂遺跡が有名で、そちらに比べると規模は小さいですが、地域の児童が清洲の歴史を学ぶのにとても役立つ施設だなと感じました。
お帰りは名古屋一のローカル線で

帰りはJR清洲駅ではなく、ここから帰りました。東海交通事業城北線の尾張星の宮駅です。外からはどこをみても駅名の看板がなく地元の人でないとここが駅だとはわかりません。

一応乗り場案内があるのでこれで駅があるということはわかる。

駅は階段しかなくエレベーターはありません。JR東海の子会社ですが、ICカードも使えず、ワンマン列車で車内の現金精算のみ。隔世の感があります。実は城北線の施設は国鉄の清算時にできた鉄道建設・運輸施設整備支援機構から借り受けているもので、年50億近くもの賃借料をここに支払っています。
城北線を設備強化した時には資産の価値が上がるので負担する額も増えるというルールがあるので最小限の設備しか用意していないのです。

ホームに着いたらもう列車が来るところでした。線路だけは全線高架、複線の豪華な設備。そんな立派な線路を1両のかわいいワンマン列車がやってきます。枇杷島駅までの一駅ですが、都会の中のローカル線の旅を楽しむこともできました。
戦国時代、歴史を動かす原点ともなった町、清須は弥生時代から人が住む太古の昔から人の住みやすい町でした。今は静かな住宅地が広がる歴史ある町を、ぶらり散歩してみるのも楽しいと思います。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年6月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。







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