皇室典範改正の敗者は中道:小川代表の責任が問われる

皇族数の確保を目的とする皇室典範改正案が10日、衆議院を通過した。公開された委員会審議はわずか3時間。女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する制度だけでなく、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える制度まで含む重要法案が、審議入りしたその日に採決された。

最大の勝者は、短時間の審議で法案を通した高市政権だろう。男系男子による皇位継承にこだわってきた自民党保守派も、旧宮家の養子案を法律に書き込むことに成功した。最大の敗者は、付帯決議も拒否されたのに賛成した中道改革連合である。

朝日新聞

修正を拒否されても賛成

皇位継承についての中道の対応は、当初から奇妙だった。党の「安定的な皇位継承に関する検討本部」の本部長に、元日本会議の笠浩史氏を選び、最初から政府案に賛成の方向で意見集約を進めていた。

これに対して党内の女性議員から疑問が出て、検討本部も軌道修正したが、リベラルの本丸ともいえる女性の権利にかかわる問題について、小川淳也代表は党内の意見集約もできなかった。

朝日新聞の社説は、中道が賛成に回った経緯を「迷走」と批判し、わずかな審議で重大な制度変更に同調した責任を問うた。小川氏は「皇室問題を政争の具にしない」というが、実態は党内をまとめきれなかったということだろう。

足並みもそろわなかった中道

中道が党として賛成を決めたにもかかわらず、本会議では一部議員が採決を棄権した。党内対立を避けるために賛成したはずが、結局は党内の亀裂を国民の前にさらしたことになる。

中道は「左右の対立を超える」ことを掲げて結成された。しかし、中道とは立場を決めないことではない。対立を恐れて結論を曖昧にするのは、単なる無原則である。党内対立をまとめきれなかった小川代表の指導力に問題がある。

朝日から読売や地方紙まで、産経を除く全紙が反対した今回の問題は、世論を梃子にして国民的な反対運動を盛り上げるチャンスだった。それを見送ったばかりか賛成してしまった小川代表は、進退が問われるのではないか。

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コメント

  1. 早川蒼真 より:

    改正案の中身、すなわちどの条文のどの文言に、どのような法理的・制度的問題があるのかが、ただの一つも具体的に示されていない。

    一つは女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する制度、もう一つは旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える制度です。しかも後者は、養子本人には皇位継承資格を認めず、その子孫については実方の系統に基づいて継承順位等の規定を適用する仕組みで、政府は衆院審議で「養子となった男性に男子が生まれた場合、その男子は皇位継承資格を有する」と明確に答弁しています。この設計は、2021年の政府有識者会議報告で示された二つの方策を土台とし、2025年1月の衆議院配付資料では「縁組後に生まれた男子は皇位継承資格を有するものとすることが適切」との意見まで明記されるなど、立法府で相応の時間をかけて詰められてきた経緯があります。

    この二つの制度それぞれについて、条文レベルでどんな欠陥があるのか、論じるのが筋のはずです。ところが記事は、肝心の「法律の中身」への評価をほとんど素通りしています。

    平河さんが高市政権に厳しい論調で知られる書き手であることは承知しています。政権批判の先鋒である論者が、これほど重要な法案について、条文の瑕疵を一行も挙げられない。少々皮肉な言い方をすれば、これは結果として「条文の中には具体的に指摘できる致命的な問題が見当たらない」と認めているのに等しいのです。

    むろん、政治過程の分析として中道と小川代表の対応を問うこと自体を否定するつもりはありません。