時間の観念:アメリカの株式市場が運営時間を23時間に大幅延長

日本人にはあまりなじみのないサマータイム。欧米では陽の光を有効に活用するという観点から夏の間は1時間早起きするサマータイムが導入されています。ただ、このサマータイムは様々な議論があり、ずいぶん前から止めるという話はありました。カナダの場合、アメリカとのリンクが非常に強いのでカナダタイムと言うわけにもいかず、アメリカがサマータイムを止めればカナダも止める、と言う立ち位置でした。

ところが私が住むブリティッシュ コロンビア州は今年、サマータイムを止めることを独自に決定しました。この決定はやや驚きをもって受け止められました。なぜなら南のアメリカのワシントン州や隣のカナダ アルバータ州と時差が出来たりできなかったりで時間管理が非常にややっこしくなるからです。もちろん、同じ州内に留まっている人には関係ないのですが、多くの事象はカナダの他の地域やアメリカで起きているわけで我々もトロントやNYとは3時間時差という前提がビジネス上組み込まれています。多くの会社では一部の社員は東部時間に合わせて朝6時とか7時から勤務する人が多いのは当然、時差を意識しているからです。なのでBC州だけ個性を出されると面倒くさいというのが正直なところでした。

今般、アメリカがサマータイム一本化で決定しそうなのでBC州だけが独自の時間帯となることは避けられそうでほっとしております。お前はサマータイムを長年経験してどう思うのか、と聞かれれば「別になくてもよい」であります。バンクーバーは緯度的に樺太の真ん中に位置するため、冬は午前8時頃にようやく明るくなり午後4時には暗くなるし、天気は雨期で悪いのであがきようがないのです。

さて、時間の観念でもう一つ、嫌なニュースはアメリカの株式市場が23時間市場運営を今年の12月から開始することです。今でも時間外取引はあります。が、それが大幅延長されるわけです。これはアメリカ時間に取引しにくい人、特にアジアの人がアメリカ株を取引をしやすくなる点において圧倒的利便性向上になるでしょう。ただ、ほぼ一日中動いている相場と言うのは為替と同じで寝ている間も市場は動くわけなので何かあった時の対応は非常に難しいとも言えます。

JANIFEST/iStock

私は今、日本にいるのですが、NY市場やトロント市場に合わせるには正直、夜中の勝負になるので1日に2度ぐらい夜中に起きてチェックすると同時に日本時間の午前4時ぐらいからは起きて念のため、参戦できる体制にはしています。ただ非常に疲れるわけです。金融機関の為替ディーラーはマネージャークラスになるとスクアック(Squawk)と称する緊急対応体制があり、実質24時間になり、仮に家にいても就寝していても電話でたたき起こされることは多く、24時間張り詰めていなくてはならないので2-30代の若手ですらきつく、人事ローテションは早いとされます。

同様に私がバンクーバーにいる時にかなりの数の日本のミーティングを日本時間でこなしているのですが、それらの多くは午前12時から午前3時ぐらいの開始なので最近は部分寝とか二度寝が何の苦にもならなくなりました。多分、カラダには堪えているはずで見えない疲労の蓄積はあるのでしょう。

時間の観念がもっとも独特なのは国際線を飛ぶパイロットやCAさんでしょう。基本的にはあまり体には良くないとされるのは精神や脳、カラダが決まった時間に安定と興奮状態をくり返せない問題があるのです。よく言うノンレム睡眠は深い睡眠でこの時には脳とカラダが共に休息をしています。一方、レム睡眠は浅い睡眠でカラダは寝ているけれど脳は起きている状態です。為替ディーラーはレム睡眠状態が続きやすくなり、脳が十分に休養できず、致命的な失敗を起こしやすくなるとされます。

最近、AIが人間生活に寄りそうに様になり、彼らが24時間疲れることなく稼働するのをみて「おまかせ」できるのかと思いきや、むしろそれに呼応するようにより激しい生活を強いられる人も増え来るのでしょう。正にAIや技術革新に使われる人たちであり、私の生活を見ているとなんだかそのグループに入りつつあるような気すらするのです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年7月19日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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