日中関係の長期的展望:世界最速で栄華を勝ち取り世界最速で没落する中国

日中関係を考えるのには、ほぼすべての人にあるであろう個人の持つ一定の思想的バイアスを一旦横に置けるかどうか、これがないとこの問題をまともに捉えることはできないでしょう。私が外から東アジア外交を見ている限り今の日中関係はかつて日本が韓国と非常に厳しい状況になったケースと似ていると思っています。

習近平国家主席と高市首相 2025年10月 同首相Xより

キーワードは「似た者同士」であります。

日中韓、大雑把に捉えると歴史的結びつきが非常に濃いのです。仏教伝来や遣唐使など文化的な交流から物資や情報までこの三国間で繰り広げられてきた独特の関係は一言や二言ではとても言い表せるものではありません。そしてそれぞれが強いプライドを持っており、容易に相手に与しないところが更にことをややっこしくさせます。特に朝鮮半島の存在は時として日中の間の緩衝にもなり、爆薬にもなった歴史であります。そのような時代を経て、現在は日韓関係が大きく改善し、若者たちの人流は進み、双方の文化や物質に対する興味はより深まるばかりです。

特に日本女子からすると、韓国コスメのみならず、様々な美容の施術関係でも一目置いており、美白などは本家日本が足元にも及ばないぐらいの深堀状態であります。私の知り合いも近々カナダからわざわざその目的で韓国に遊びに行くそうであります。一方、私の場合は最近、カナダの家の近くに35年間、足を踏み入れたことがなかった謎の韓国料理屋に最近、ハマってしまい、店の人に覚えられるほどになりました。要は焼肉を主体とした韓国居酒屋なのですが、壁にべたべた張ってある店のメニューは全部ハングルで全く読めません。そんな店は若者で大盛況で焼肉も店員が韓国風に焼いて切り分けてくれるので韓国旅行をしているようない非日常を味わえるのであります。

さて、日中関係については日韓関係と反比例するように戦後最悪の冷え切り方とされています。個人的にはこの関係も「うねる」のでいつかはまた関係が改善されるのだろうと思いますが、それが3年後か、10年後かは現時点では予測できません。

何故日中関係が冷めたのか、基本的には中国の大国意識がより強くなり、日本は目線に入らなくなったことが最大の理由だと考えています。昔は日本人の技術者や研究者を三顧の礼で迎え入れていましたが、今では「日本から学ぶことは無し」というスタンスで中国は我が道を行くというわけです。

一方、日本の中の中国批判派は「あの経済状態でどうするつもりだ、もう持たないだろう」というのが中国崩壊シナリオの根幹の論拠であります。実際には中国は経済問題については「切り分け」を進めています。つまり経済的にダメな部分は「急がない、触らない、しゃべらない」の方針を明白にする一方、新興産業や未来産業、例えばグリーンエコノミーやEV、カーボンクレジットなどを積極的に取り入れ、いかにも高い成長を誇っていることを内外に広く伝え、成功者としての位置づけを行う一種のマーケティングを行っています。

ただ、ダメな部分を放置することほど中国の未来にとって危険なことはありません。大学を卒業しても就職率は実質50%程度です。今年の大卒が1270万人見込まれますが、毎年600万人以上の失業者が生まれるのです。中国の統計では若年層の失業率は16-7%とされますが、統計上、週に1時間でもアルバイトをすれば失業者ではなくなるため、実質の失業率は政府が発表できないほどなのであります。

それらの失業者はタンピン族(寝そべり族)、バイラン族(物事が悪くなっても放置する無気力組)、全職児女族(親元でフルタイム子供を継続する人たち)となり、中国にとって人的底上げができないばかりか、将来寝そべっている人たちが立ち上がれない病的国家が生まれる公算はあるのです。とすれば中国のエリート層がどれだけ働き、稼いでも高齢化し、社会問題となる社会保障の問題の上に使えない20‐30代が街に溢れかえることになるのです。

現在、中国はアメリカを「老いた大国」と考えています。つまり中国の時代が来たと。そうかもしれません。私が再三言っている街は西に動く、という理論からすれば中国の時代は確かに来ていますが、その足元は極めてふらつき度が高い状態にあると言えそうです。例えて言えばロシアに似ており、国家のエリート層が国家の全てを語る一方、国民は疲弊しきっているのに国家に逆らうことを全く知らず架空の繁栄を繰り広げるようなものであります。

日中関係は今しばらく冷たい関係になるとみています。習氏が第4期目を狙うのはほぼ確実視されており、氏がそれを果たし、かつ、台湾問題を何らかの方法で中国が満足する形にすることで目先の覇権達成となるとみています。その頃には国際関係は大きく変化している可能性もあるし、中国そのものがハリボテ経済であることは明白なので修正できないほどのほころびが出てくることもありそうです。

私は中国は世界最速で栄華を勝ち取り、世界最速で没落する国になるだろうとみています。日本は当面は我が道を行く、それしかないと思います。今の中国には勝てないし、触らぬ神に祟りなし、と言う気がします。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年7月21日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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