【辺野古事故】同志社国際高、説明会を開くたびに新事実:西田喜久夫校長は冒頭で退席

沖縄県名護市辺野古沖で3月、同志社国際高校の研修旅行中に小型船2隻が転覆し、生徒1人と船長1人が死亡、高校生12人と乗組員2人が負傷した事故をめぐり、学校側が8月30日夜に開いた保護者説明会は約4時間に及んだ。

しかし、出席者から聞こえてきたのは納得の声ではなく、学校側の対応への強い不満だった。事故そのものだけでなく、事故後の説明や危機管理のあり方まで問われる事態となっている。

校長は謝罪すると退出、延々と資料を読み上げ

出席者の証言によれば、西田喜久夫校長は冒頭、教職員とともに謝罪して頭を下げた後、そのまま退席した。その後は学校法人側などが特別調査委員会の報告書を説明し、事前に寄せられた質問への回答を長時間読み上げたという。

冒頭で退出した同志社国際高校の西田喜久夫校長(写真は3月17日の会見時)

しかも学校側はいったん、保護者との質疑応答をしないまま終了しようとした。保護者から「会話がない」と指摘されて、ようやく質疑に入ったという。

さらに午後10時前には「施設の電気が消える」として再び終了しようとしたが、保護者らが確認すると延長できることが判明した。

用意した資料を読み上げるだけなら、録画を配信すれば済む。説明会を開く意味は、責任者がその場で質問を受け、自らの言葉で答えることにある。「血の通っていない」との批判が出るのも当然だろう。

研修に関わった教員の死亡も初めて説明

説明会では、沖縄研修旅行に関わっていた教員1人が8月23日に亡くなっていたことも報告された。

参加者によれば、学校側は遺書はなかったとしながらも、担任クラスの引き継ぎ資料と、それを見るよう促すメモが残されていたと説明したという。

ただし、こうしたメモだけから死亡の経緯を推測することはできない。むしろ問われるべきなのは、重大事故の後、精神的な負担を抱える可能性のある教職員に対し、学校法人が十分なケアを行っていたのかという点だ。

第三者委員会も、安全管理体制やリスク管理、組織風土など幅広い問題を指摘している。個々の教員の問題として処理できる話ではない。

事故2日後には玉城デニー知事へ「研修継続」

さらに保護者の不信を深めているのが、事故直後の西田校長の行動だ。

西田校長は事故からわずか2日後、沖縄県庁で玉城デニー知事と面会し、「今後も研修を継続していきたい」との趣旨を伝えていた。

今回の説明会では、学校側がこの面会について「知事側から申し出があった」と説明したという。参加者からは、これまでの説明との食い違いを指摘する声も上がった。

生徒が学校行事で亡くなった直後である。まず優先されるべきは遺族への対応、事故原因の究明、安全管理体制の検証ではなかったのか。その段階ですでに研修継続を語っていたこと自体、学校が事故の重大性をどう認識していたのか疑問を抱かせる。

「再発防止策」以前に問われる説明責任

学校側は今年度の沖縄研修旅行を中止し、関係教員の配置換えなどの再発防止策を示した。学校法人同志社では理事長が一部の役職の辞任の意向を表明し、西田校長も解任された。

だが、表面上の人事を入れ替えれば信頼が回復するわけではない。

説明会を開くたびに、それまで十分説明されていなかった事実が明らかになる。そして、その説明会でも責任者が早々に退席し、用意された文章を読み上げ、保護者との対話を避けるかのような対応をしている。

学校側は「再発防止」を強調するが、その前提となるのは、事実を明らかにし、遺族、保護者、生徒、そして教職員に正面から向き合うことだ。

同志社がいま検証すべきなのは研修旅行の安全管理だけではない。事故後半年近くにわたる、自分たち自身の危機管理と説明責任そのものだろう。

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