未婚の若者の35%「結婚するつもりない」、後悔するのは40代後半の現実

こども家庭庁は31日、15〜39歳の若者約10万人を対象にした意識調査の結果を公表した。未婚者の35%が「結婚するつもりはない」と回答し、若者の結婚意欲の低さが改めて浮き彫りになった。

【参照リンク】未婚の若者の35%「結婚するつもりない」  こども家庭庁調査 日本経済新聞

「結婚したくない」人は本当に35%なのか

独身研究家の荒川和久氏は、この数字について、男女・年齢別の内訳が公表されていないため、20代の結婚意欲が低下したのか、30代の未婚者が結婚をあきらめた結果なのか分からないと指摘している。

さらに「結婚するつもりはない」35.1%のうち、「結婚したいとは思わない」を理由に挙げたのは53.1%にとどまる。荒川氏は、単純計算すれば積極的な「選択的非婚」は全体の約18.6%で、残りには収入や住宅への不安、相手が見つからないといった事情による「不本意未婚」が相当数含まれると分析している。

つまり「若者の35%が結婚を拒否した」と単純化するのは適切ではない。

若いときの「一人で平気」は続かない

ただし、ここには別の問題がある。

20代や30代前半なら、一人暮らしは快適だ。健康で体力があり、職場には同僚がいる。休日には友人と遊べる。家族に生活時間を合わせる必要もなく、趣味にも自由に時間とお金を使える。

だから「結婚しなくても困らない」と思うのは自然でもある。

しかし人生は25歳の状態のまま続かない。40代になると「急に人生が苦しくなった」と感じる人が増えることは、黒坂岳央氏が指摘しているとおりである。

【参照リンク】誰もが40代から人生が急に苦しくなる理由 黒坂 岳央

誰もが40代から人生が急に苦しくなる理由
黒坂岳央です。40代になって、「急に人生が苦しくなった」と感じる人は少なくない。仕事では責任が増え、体力は落ち、親も年を取り、お金の問題も現実味を帯びてくる。世間では「老化が辛い」と言われがちだ。だが、自分はそう考えない。これは本質を捉えて...

ただし私の経験から言うと、ほんとうの老いを実感したのは40代後半からだ。40代後半にもなれば体力は急激に落ち、病気のリスクも高くなる。老化は経年劣化ではなく、多細胞生物としてのプログラムなので、あるタイミングで急激にやってくる。

【参照リンク】老化は44歳と60歳で急激に進行、疾病リスクも増大 CNN

老化は44歳と60歳で急激に進行、疾病リスクも増大 24年研究
人生には老化が急激に進む時期が2回あるという研究結果が発表された。最初は44歳、次は60歳の頃に、分子の急激な老化が起きるという。

親の介護や死に直面することも増える。仕事では責任が重くなる一方、将来の雇用や収入への不安も出てくる。

人間関係も変わる。20代には気軽に会えた友人も、結婚して子どもができれば家庭中心の生活になる。「友達がいるから一人でも平気」という前提そのものが崩れていく。

結婚すれば必ず幸せになるわけではないし、独身だから必ず孤独になるわけでもない。しかし、若いときの「一人でいられる自由」と、中高年になって「一人ですべてを背負わなければならない状態」は状態は同じでも精神的負担は同じではない。

50歳から相手を探すのは難しい

さらに重要なのは、50歳になってから「やっぱり結婚したい」と思っても、時間は巻き戻せないことだ。

若いうちは「今は結婚したくない。必要になったら後で考えればいい」と思いがちだ。しかし年齢を重ねる間に、結婚を希望する同世代の多くは結婚していく。本人の年齢も上がり、相手に求める条件と相手から求められる条件の双方が厳しくなる。数倍の年収になったとしても、それだけでは若さの魅力を補えないことが多いこともわかってくる。

今回の調査でも、「結婚したいと思える人がいない」という回答が目立った。年齢を重ねれば、出会いの母数そのものも小さくなる。

結婚は、権利としていつでも選べるとしても、現実の選択肢を若い頃のまま保存しておけるものではない。

もちろん、生涯独身を望む人にはその自由がある。問題なのは、「今、一人で平気だから、50歳になっても平気だろう」と考えてしまうことだ。

むしろ今回の調査で注目すべきなのは、積極的に結婚を拒否する若者の多さではなく、経済事情や出会いの不足から結婚をあきらめつつある人の存在ではないか。

一人でいられることと、一人でいなければならなくなることは違う。

若いうちには見えにくい40代、50代以降の生活まで想像した上で、それでも結婚しないのかを考えることも、重要なライフデザインではないだろうか。老婆心ではあるが、それが現実である。

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