中道改革連合が、いよいよ不思議な政党になってきた。選挙で大敗し、公明党系は公明党へ戻り、立憲民主党系は別の新党をつくる。それでも中道改革連合そのものは、すぐには解散しないという。理由の一つとして説明されているのが「借金」である。
伊佐進一氏は、中道には選挙などで生じた多額の債務があり、それを政党交付金で返済するという。これは違法の疑いがある。
政党交付金は借金返済のための金ではない
政党助成法14条は「政党交付金による支出」を定義している。その中には「借入金の返済及び貸付金の貸付けを除く」と書かれている。つまり、借金の元本返済は「政党交付金による支出」ではない。
法律はかなり明快である。政党交付金は、過去につくった借金を税金で穴埋めするための制度ではない。政党が選挙で巨額の費用を使い、その結果、期待したほど議席を取れなかった。そこで「借金が残ったから、今後も税金をください」となれば、政党助成制度は政治活動への公的助成ではなく、選挙失敗の損失補填制度になってしまう。
借金を返しても「交付金を使った」ことにならない
さらに重要なのは、借金返済に金を回せば、それで政党交付金を「使い切った」ことになるわけではないという点だ。政党助成法上、借入金返済は「政党交付金による支出」から除外されている。
したがって、仮に10億円の政党交付金を受け取り、その10億円をそっくり借金返済に回したとしても、「政党交付金10億円を適法に使いました」という扱いにはならない。残額として返還の問題が生じる。「借金返済に使えば交付金を消化できる」という仕組みには最初からなっていないのだ。
党はなくなっても交付金はほしい?
中道改革連合の2026年分の政党交付金は約23億円とされている。すでに一部は交付されているが、今後も党が存続していれば追加の交付を受けられる可能性がある。所属議員の大半は別の党へ移るが、中道という政治プロジェクトは事実上終了する。
それでも法人格としての政党だけは残す。なぜ残すのかと聞けば、「借金を返さなければならないから」という。これでは国民から、「党は解散状態なのに、政党交付金だけは満額いただくのか」と疑われても仕方がない。
「税金に色はない」で逃げられない
もちろん、中道側には反論の余地がある。たとえば、政党交付金以外に党費や寄付などの自己資金があり、その自己資金で借金を返済し、政党交付金は別の政治活動費に充てるのであれば、形式上は別の話になる。金には色がついていないからである。
だからこそ説明責任が生じる。「借金があるから党を残す」「党を残すから政党交付金を受け取る」「その金で債務を整理する」という説明なら、実質的には政党交付金による借金返済ではないのかという疑念は当然に生じる。
税金を失敗した選挙の穴埋めに使うのか
中道改革連合は、政治改革や中道路線を掲げて華々しく発足したが、わずかな期間で分裂し、最後に残った大仕事が「政党交付金を受け取りながら借金を整理すること」だとすれば、あまりにも皮肉である。
借金を返すのは当然だが、選挙でつくった借金を、政党交付金で処理してよいかどうかは別問題だ。中道改革連合と伊佐氏は、まず債務総額を明らかにし、その借金を何の資金で返済するのか、そして今後受け取る政党交付金を具体的に何に使うのかを説明すべきだろう。






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