日本の少子化対策は、いよいよ根本的な問題に突き当たったようです。国立社会保障・人口問題研究所が公表した第17回出生動向基本調査によると、18~34歳の未婚者のうち「一生結婚するつもりはない」と答えた割合は男性24.0%、女性21.5%となり、男女とも初めて2割を超えました。

逆に「いずれ結婚するつもり」と答えた人は男性75.1%、女性77.8%。前回調査から大きく低下し、男女とも初めて8割を割りました。政府は少子化対策に巨額の予算を投入していますが、その前に「そもそも結婚する気がありません」という人が増えているのです。
「結婚できない」から「結婚しない」へ
これまで未婚化については、「若者の所得が低い」「雇用が不安定だ」「住宅費が高い」といった経済問題が中心に語られてきました。もちろん、それらは重要です。
しかし今回の調査から見えてくるのは、それだけではありません。結婚そのものに魅力を感じない人、異性との交際を望まない人、一人で暮らすことに不自由を感じない人も増えています。
30代前半で異性との交際経験がない割合は、男性40.5%、女性28.9%でした。昔なら親戚のおばさんが勝手に見合い写真を持ってきたのでしょうが、今はそういう時代でもありません。本人が必要だと思わなければ、婚活アプリを開く理由すらないのです。
しかもマッチングアプリなどインターネットを通じて知り合った夫婦は大幅に増えています。出会うための技術は人類史上かつてないほど進歩したのに、結婚したい人は減っています。「出会いがないから結婚できない」という説明すら、少し怪しくなってきました。
子育て支援以前に「入口」が細っている
さらに深刻なのは、結婚した後の出生意欲も低下していることです。未婚者が希望する子どもの数は男性1.64人、女性1.70人。既婚夫婦が予定する子どもの数も1.95人となり、初めて2人を下回りました。
つまり日本の少子化は、「結婚する人が減る」と「結婚しても子どもを望む数が減る」の二重構造になっていますが、政府の少子化対策は、児童手当、保育無償化、育休給付など、主として「結婚して子どもを持った後」の支援です。こども家庭庁の予算を増やしても、結婚相手は政府が支給できません。
「異次元」なのは若者の価値観だった
もっとも、「一生結婚するつもりはない」と答えた人が、本当に生涯未婚を貫くとは限りません。収入や貯蓄が増えるなど条件が変われば、結婚する意思に変わる可能性があると答えた人も少なくありません。
ただし、そこで必要なのは「少子化対策」と名付けた給付金を増やすことではなく、若い世代の可処分所得を増やし、将来への不安を減らすことでしょう。税金と社会保険料を現役世代からたっぷり徴収し、バラマキ財政で政府の借金を増やした上で、「子どもを産んだら給付します」と言われても、若者からすれば順番が逆です。
政府はこれまで「異次元の少子化対策」を掲げてきましたが、若者の5人に1人以上が「一生結婚するつもりはない」と答える社会をつくっておきながら、出生数だけ増やそうとしているのは順序が逆です。必要なのは、なぜ若者にとって結婚や子育てが魅力的な選択肢ではなくなったのかを考えることではないでしょうか。







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