沖縄知事選、古謝玄太氏が玉城デニー氏を破り初当選

13日に投開票された沖縄県知事選で、新人の前那覇市副市長、古謝玄太氏(42)が、3選を目指した現職の玉城デニー氏(66)を破り、初当選を確実にした。

古謝玄太氏 嘉手川こうた氏Xより

古謝氏は自民党、日本維新の会、国民民主党、参政党、日本保守党、公明党県本部の推薦を受け、玉城県政2期8年からの転換を訴えた。午後8時の投票締め切り直後、出口調査などを基に当選確実が報じられた。

「県民所得倍増」を掲げた古謝氏

古謝氏が選挙戦で前面に掲げたのは経済だった。「10年で県民所得を倍増」「手取りを2倍に増やす」と訴え、観光、健康、環境、海洋、起業を柱とする「新5K経済」を提唱。既存産業の高付加価値化や新産業の育成、子育て支援、交通網の改善などを打ち出した。

米軍普天間飛行場の辺野古移設については、危険性を除去するための「最も早い方法」として容認する立場を示した。政府との対立を続けるより、国との協調を通じて基地負担の軽減と経済振興を進める現実路線を強調した。

これに対し玉城氏は辺野古移設反対を堅持し、「平和」を前面に掲げた。立憲民主、共産、社民などの支持層をまとめ、2期8年の実績と基地問題への姿勢を訴えたが、古謝氏に及ばなかった。

有権者は「基地」より「経済」を見ていた

共同通信の情勢調査では、重視する政策として「経済・観光・雇用」が46%で、「基地問題」の26%を大きく上回った。古謝氏は経済を前面に出した一方、玉城氏は「平和」や辺野古反対を強調した。物価高や所得の伸び悩みが続く中、玉城デニー氏の従来型の基地中心の訴えが有権者の関心とずれた可能性がある。

SNS発信でも相次いだ失点

玉城氏の公式Xでは「自民党本部が下地幹郎氏と裏取引をした」とする投稿が掲載され、後に削除された。終盤には「病院に行けない」「3食食べられない」と訴える女性の応援動画も物議を醸した。

玉城デニー知事Xより

現職として2期8年を担った玉城氏が貧困を訴えたことで、逆に「8年間で何を改善したのか」との疑問を招いた。政策だけでなく、SNSを含む運営のまずさも敗因の一つとなったとみられる。

「オール沖縄」に大きな転機

玉城氏の敗北は、翁長雄志元知事以来、県政を支えてきた「オール沖縄」勢力にとって大きな打撃となる。

今回の結果を「辺野古容認への転換」とだけ解釈するのは早い。むしろ有権者が、基地問題と同時に「沖縄をどう豊かにするのか」を県政の中心課題として求め始めた結果と見るべきだろう。

古謝氏は国との協調を掲げ、県民所得倍増という高い目標を打ち出して勝利した。今後問われるのは、その看板を実際の賃金上昇や産業育成につなげられるかどうかだ。

沖縄県知事選は長年、「辺野古」が最大の対立軸だった。今回の選挙は、その構図だけでは県民の選択を説明できない時代に入ったことを象徴する結果となった。

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