ますます重要になる「デジタル デトックス」

デジタル デトックス。こんな言葉が世の中にひっそりと登場するとは思いもしませんでした。

デトックスとは蓄積した老廃物を排出すること。よく聞くのは食のデトックスです。断食をして体の中をスッキリさせることを定常的に継続されている方は割といらっしゃると理解しています。私もある方からそれを強く勧められたことがあります。ただ、断食のようなデトックスだけでは効果は限定され、食生活全般を見直し、かなりストイックな個人プログラムを継続することが必要なようです。

さて、食ではなく、デジタルのデトックスとはどういうことでしょうか?

端的に言えばスマホとインターネットから解放される、であります。

maruco/iStock

私はスマホがあんまり好きではないのはこれを長くお読みの方はご存じだと思います。基本的には一日3度しか触らないようにしています。朝、昼、晩のみ。ただ最近特にメッセージ着信音がピンピン鳴り、「止めたろうか!」と思うこともあるのですが、仕事メッセージも多く、やむを得ず、いやいやながら見ることもあります。人によっては一単語メッセージの連続投稿技や写真の転送で10連荘ピンピン状態とかになるとスマホに「投げたろうか」と言いたくなる時もあります。

例えば皆さんの電話(イエ電でもスマホでも)が突如鳴ると誰からだとチェックし、知らない番号だと用心深く取るもセールスの電話だったら「チクショー」と思いながら切るでしょう。それが不定期に一日中あるとしたらどうですか?イライラしますよね。この話は電話がSNSなどのメッセージに切り替わっただけのことなのです。発信者が知っている相手からだとしても見境なく来るメッセージに対して意図的に放置することもあります。

またSNSは知らぬ間に自らのディスクローズをしています。知っている相手だからと気を許してべらべらメッセージを送っているとそれが知らぬ間に他の人にコピペ、転送されていることもしばしば。なぜなら私のところにもコピペ、メッセージのスクショが結構来るからでこれでは秘密の保持なんてないのだろうな、と思うのです。

もう1つ、最近思うのは目立ちたくないな、という点です。私はバンクーバーに35年もいて業務も頑張ってきたし、日系社会への参加も多く、ある程度の年齢の人は私のことを知っている人は多いのです。団体の長をやっている時は目立つのはやむを得ないのですが、今は自分の会社すら一歩引く準備をしているのでむしろ真逆の目立たないようにすることにシフトしようとしています。

「お前は引退か?」と言われるとそれは全く当てはまりません。そうではなく、全く違う世界でゼロスタートを切るからペーペーからの再スタートになるのです。大げさな言い方ならばRebornとも言えるかもしれません。そのためには自らを一度リセットする必要もあります。それは自らの手と足で再構築したいので考える時間や勉強する時間、邪魔される時間を極力排除したいのです。

フィナンシャルタイムズにこんな記事があります。「最高のぜいたくは『プライバシー』 ネットから消える富裕層」。内容は読んで字のごとしです。これは一種のクラブ化の流れだと思います。「一見さんお断り」とか「会員制」という敷居ですね。富裕層には富裕層の世界があるし、芸能界には芸能界の世界、スポーツ界にはスポーツ界の社会(ソーシャル)があるのです。ただ、残念なことに一般大衆はそれらの人の生活に興味があり、のぞき見をしたい気持ちがあるのです。彼らにとっては「うざい」わけです。

私のマリーナの顧客は基本全員が富裕層だと思います。彼らが友人を連れてクルーズに行くことは極めてまれで、ほとんどは家族同士かかなり親しい人だけです。またマリーナがソーシャルクラブ化しており、知らない人たちが船に乗り込めば「あの人、見かけない人を船に乗せたよ。なんか怪しいことしていない?」と噂は瞬く間に広がるのです。富裕層の監視の目って本当に怖いですよ。そこにあるのは限定されたソーシャル空間であり、富裕層はその空気を愉しむことに快感を覚えるのです。

SNS、ソーシャル ネットワーク サービスの略ですが、このソーシャルは地球レベルや世界レベルからごく身内だけの社会まで広い意味で使われます。今の流れはソーシャルに乗っかるのではなく、ソーシャルを取捨選択し、自分の最適解のソーシャルを見つけることにあるとみています。私はFBもインスタもアカウントがありません。Xはありますが、ほぼ見ることはありません。多分、多くの人はデジタル社会にやや疲れを感じているとみています。また「AIが私のお友達」という人が急増し、SNSを通じた刺激は転機を迎えていると感じています。有名人の美容法をSNSで聞くよりもAIに聞いた方が正確で早いのです。

ということはスマホを持たずにふらりと出かけても何も苦しくなくなるはずです。飛行機に乗る時にタバコを吸えなくなるときのような辛抱だけで達成できると思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年9月22日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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