社民党の福島瑞穂党首が、同党のラサール石井幹事長による山下貴司法相への「4人殺しています」という発言を容認した。

ラサール氏は9月19日、国会前で開かれた集会で、第2次高市改造内閣で法相に再任された山下氏について「前の法務大臣の時に2回死刑をやって、4人殺しています」と発言した。山下氏が前回の法相在任中に死刑執行を命じたことを指している。
「4人殺した」のは山下法相なのか
これに対し福島氏は24日の記者会見で、「その人の表現の仕方の範囲内だ」と擁護した。「法律に基づく処刑だから、やはり人を殺しているわけだ」と述べ、「処刑といえば良くて、殺したというのが良くないのか分からない」と説明した。
弁護士資格を持つ国会議員でも、「法に基づく刑の執行」と「個人が4人を殺した」という表現の違いが分からないらしいが、山下氏が私人として4人を殺したわけではない。
刑事裁判で死刑判決が言い渡され、裁判所の判決が確定した後、刑事訴訟法に基づいて法務大臣が執行を命じただけだ。山下氏が執行しなくても、他の法相が執行しただろう。
死刑反対なら制度を批判すればいい
死刑制度には賛否がある。「国家であっても人の命を奪うべきではない」という死刑廃止論には、一つの論理がある。死刑制度を「国家による殺人」と表現する思想家や活動家もいる。ならば正面から「日本は死刑制度を廃止すべきだ」と主張すればいい。
ところがラサール氏の発言は、制度ではなく山下氏個人を主語にして「4人殺した」と表現した。ここには明らかな飛躍がある。死刑制度に反対することと、法律に基づいて職務を遂行した法相を「4人殺した人」と表現することは同じではない。
しかも福島氏自身、会見では「個人で誰かを殺したのではなく、法務大臣として処刑をした」という趣旨の説明もしている。だったら最初から答は出ている。個人で殺したのではないのだから、「山下法相が4人殺した」という表現は間違いなのだ。
弁護士の福島瑞穂氏がそれを容認する不思議
福島氏は長年、弁護士として活動してきた政治家である。誰よりも「個人の行為」と「法に基づく公権力の行使」の違いを理解しているはずだ。その福島氏が、「処刑と言えばよくて、殺したと言うのはなぜ悪いのか分からない」と述べる。
社民党は人権や法の支配を重視する政党を自任している。ならば気に入らない政治家についても、法律上の責任と個人的な犯罪行為を区別すべきではないか。死刑制度が間違っていると思うなら、刑法や刑事訴訟法を改正する議員立法を出せばいい。
死刑は国家が法律と裁判手続きに基づいて執行した刑罰である。この基本的な区別さえ曖昧にしたまま、人権や法の支配を語る資格はない。死刑制度を批判するのは自由だが、制度への批判を個人の「人殺し」と呼ぶのは人権侵害である。






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