トランプ大統領ついに裁判所まで無視:命令に違反して記者証を返さず

トランプ大統領とメディアの争いが、ついに気に入らない記者を締め出すという段階から、裁判所の命令にも従わないという段階に進んだ。米連邦地裁のティモシー・ケリー判事は9月24日、CNN、MS NOW、Politicoの記者について、ホワイトハウスの記者証を「直ちに返還、復活、回復」するようトランプ政権に命じた。

BBC

これはトランプが9月18日に3社を「フェイクニュース」と批判し、ホワイトハウスへの出入りを禁止したことを受けた仮処分だが、トランプ政権はこの命令に従わなかった。(ABC News)

裁判所が「返せ」と命じても入れない

判決後、CNN、MS NOW、Politicoの記者がホワイトハウスに入ろうとしたところ、シークレットサービスによって再び入場を拒否された。Politicoによると、記者証まで改めて没収されたという。

ケリー判事は、政権による記者証剥奪について、少なくとも憲法修正5条が保障する適正手続きに違反する可能性が高いと判断した。記者側には事前の通知も、反論する機会も与えられていなかったからだ。政権側は「国家安全保障」を理由にしたが、判事はその主張を裏付ける事実が記録上ほとんどないとして退けた。(KVIA)

任命した判事にも止められたトランプ

皮肉なのは、ケリー判事がトランプ自身によって2017年に連邦判事に指名された人物だという点である。しかもケリー判事は2018年にも、CNNのジム・アコスタ記者の記者証をトランプ政権が剥奪した事件で、記者証を一時的に復活させる判断をしている。(ワシントンポスト)

今回はさらに問題が深い。裁判所から「戻せ」と明示的に命じられた後も、記者が門前払いされたからだ。3社側はすでに「命令が繰り返し破られている」と裁判所に訴えている。(Mediaite)

「法の支配」を否定する大統領

CNNやPoliticoの記事が正しいかどうかと、政府がその記者をホワイトハウスから排除してよいかどうかは別問題である。報道内容が間違っているなら、大統領は反論すればいい。名誉毀損なら司法手続きもある。

ところが政府が「お前の記事は気に入らない」と記者証を取り上げるのは、明白な報道の自由の侵害である。さらに重大なのは裁判所の命令を無視したことである。民主国家では大統領も法律の上には立たない。

誰がアメリカのルールを決めるのか――大統領か、それとも憲法と司法か。トランプは自分が任命した判事から突きつけられたその問いに、かなり危険な答えを出し始めている。

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