だんじり祭で死亡事故あいつぐ:安全対策にきびしい批判

大阪の秋の風物詩、だんじり祭で重大事故が相次いでいる。10月10日には泉佐野市と泉大津市でだんじりが横転し、男性2人が死亡、計16人が重軽傷を負った。地域の伝統をどう受け継ぐかとともに、参加者の命を守る運営が改めて問われている。

泉佐野市では午前11時ごろ、長滝の交差点でだんじりが右折する際に横転した。勢いをつけて角を曲がる「やりまわし」の最中だった。側面に乗り、バランスを取る「たかり」を担っていた51歳の男性が下敷きになって死亡し、ほかに7人が負傷した。

午後1時20分ごろには泉大津市宮町でも、右折中のだんじりが横転した。こちらでも側面でバランスを取っていた48歳の男性が下敷きになって死亡し、9人が負傷した。警察がそれぞれの事故の詳しい状況を調べている。

横転を防ぐ位置の人が犠牲に

今回の2件では、だんじりの姿勢を人の体重や力で調整する役割の男性が犠牲になった。事故原因の確定を待つ必要はあるが、横転を防ぐための位置にいる人が、横転した際には逃げにくくなる危険がある。

直前の10月3日夜にも、堺市中区の交差点でだんじりが横転し、10~60代の男性11人が負傷している。短期間に事故が続いたことを考えれば、各地区が個別に注意を呼びかけるだけで十分なのか、疑問が残る。

危険な場面を検証する必要

毎年のように起こる死亡事故については、スポンサーも敏感になっている。今のところ撤退するという話はないが、協賛金を集めるだけでなく、事故の検証結果や改善策を支援者に示す。そうした関係を築けるかは、祭りを続ける上で重要になるだろう。

特に危険が集中する場面を具体的に見直す必要がある。交差点への進入速度、側面に乗る人数や位置、観客との距離、運行を止める判断基準など、検証すべき項目は多い。主催者は事故情報を地区間で共有し、必要に応じて外部の専門家を交えて運行方法を点検すべきだ。

安全対策を参加者の熟練や度胸だけに委ねない仕組みが必要である。伝統を受け継ぐには、次の担い手が安心して参加できることが欠かせない。祭りが終わったあと、全員が家に帰れる。そのための安全対策も、伝統を守る仕事の一つではないか。

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