簗和生農水相の「道路予算をカットした」という発言をめぐり、国土交通省は、簗氏からの問い合わせに関する記録を作成していなかったと説明しているが、この説明だけで疑問が解消したとはいえない。
「細かいメモ」がないなら大ざっぱなメモはあるのか
国交省が10月6日に公表した調査では、簗氏は衆院選後の2月中旬ごろ、栃木県那須烏山市と那珂川町の2026年度の予算配分について問い合わせていた。当時の佐々木紀副大臣と黒田昌義官房長が、議員会館に出向いて説明したという。
国交省は、担当者に詳細な記録がなく、問い合わせ内容の記憶も明確ではないと説明した。一方、予算配分への働きかけや圧力については否定しているが、常識で考えて副大臣と官房長が議員会館まで出向いて、メモも取らないことはありえない。
ただし、「細かいメモがない」「正式な記録を作成していない」「個人的な走り書きも一切ない」は、それぞれ意味が違う。TBSの13日の報道では、井林辰憲国交相は記録を作成していないと説明する一方、幹部による非公式メモの有無については明言を避けた。記録が一切存在しないと確認されたわけではない。
記録不要と判断した根拠は
井林氏は9日の会見で、内閣府のガイドラインに照らし、記録不要のケースと判断したと説明している。国交省の立場は、記録を紛失したというものではなく、そもそも作らなかったというものだ。
公文書管理法は、行政の意思決定過程や業務を後から検証できるよう、軽微な事案を除いて文書の作成を求める。内閣府は、この例外を厳格かつ限定的に解する必要があると説明している。
予算確定前に、国会議員が特定の2市町について省幹部に照会した。これを記録不要と判断した基準は何か。
役所は政治家との面会を文書に残さなくなった
国交省は、問い合わせが事業担当部局に伝わらず、配分作業に影響しなかったことも、否定の根拠として挙げているが、実際の予算配分は玉木雄一郎氏がXで示したように、那須烏山市と那珂川町の予算を減らし、栃木県分を増やしている。

ただし森友事件で過去の近畿財務局の文書が情報公開請求で大量に開示されたことなどから、最近は役所が文書を残さなくなっている。特に利益誘導のからむものは、紙のメモだけ取ってシュレッダーにかけることが多いという。
記録がないことは、圧力がなかった証明にはならない。国交省が疑惑を否定するなら、残された資料で何を確認できるのかを示すべきだ。







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