入院患者を無断で撮影し、SNSに投稿するという信じがたい行為が、相次いで明らかになりました。千葉県松戸市の千葉西総合病院では女性看護師2人が懲戒解雇され、北海道のJR札幌病院でも看護師が患者の動画を投稿する問題が発覚しました。
患者が安心して治療を受けられるはずの病院で、いったい何が起きているのでしょうか。

千葉西総合病院 松戸市HPより
「まじ暇」「つまんねえ」と患者を撮影
千葉西総合病院では、10月5日の夜勤中に女性看護師2人がベッドに横たわる入院患者や院内の様子を無断で動画撮影し、SNSに投稿していました。
動画には「まじ暇」「つまんねえ」といったテロップまで付けられていました。
病院は10月10日、撮影や投稿に関与した女性看護師2人を懲戒解雇とし、グループ内で動画を閲覧していた別の女性看護師1人を厳重注意としました。
三角和雄病院長は病院のホームページで謝罪しました。患者を守る立場の看護師が、患者をSNSの投稿材料として扱っていたことに驚かされます。
JR札幌病院でも「面白半分」で投稿
一方、JR北海道が運営するJR札幌病院でも、看護師が患者を無断撮影したとみられる動画がSNSで拡散しました。
10月13日、病院側は男性患者が食事や治療を受けている場面などを撮影した動画が投稿されていることを把握しました。
北海道文化放送などによると、事情を聴かれた女性看護師は「面白半分で投稿してしまった」と説明したといいます。
病院は患者本人と家族に謝罪し、SNS運営会社に動画の削除を要請しました。ほかの職員の関与も含めて調査し、事実関係を確認したうえで厳正に対処するとしています。
患者はSNSの「コンテンツ」ではない
今回の問題で深刻なのは、患者のプライバシー侵害に加え、患者を娯楽の対象として扱っていることです。
入院患者は病気やけがを抱え、医療従事者に自分の身体や生活を委ねています。自由に動けない患者や、十分に意思表示できない患者もいます。
そうした弱い立場の人を本人の承諾なく撮影し、インターネットに公開する行為は、医療従事者としての倫理に反するものです。
顔が映っていなくても、病室や病状などの情報から個人が特定される可能性があります。内容によっては個人情報保護法上の問題や、プライバシー侵害による損害賠償責任が生じることも考えられます。
しかも、一度拡散された動画は完全に消去することが困難です。
医療現場のSNS教育は大丈夫なのか
もちろん、今回の事件をもって看護師全体のモラルが低下していると決めつけるべきではありません。多くの医療従事者は厳しい勤務環境の中で患者の命を守っています。
しかし、複数の病院で同じような不祥事が明らかになったことは、医療機関のSNS管理や職員教育のあり方を問い直すきっかけになります。
勤務中の私的な撮影をどこまで認めるのか。患者の映像や診療情報をどのように管理するのか。明確なルールと教育が必要です。
SNSの再生回数や「いいね」を増やすために、患者の尊厳が犠牲になってはなりません。
病院は動画撮影のネタを提供する場ではありません。患者が安心して身を預けられる場所であることを、医療従事者は改めて認識する必要があります。







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