ぞっとするほど顔色が悪い高市首相:簗農水相の問題だけが原因か?

この数日、テレビに映る高市首相の顔色はぞっとするほど悪かったと思います。簗氏の問題がこれほどになるとはご本人の想定以上だったのかもしれません。ただ、多くの国民は私を含め、かなり早い段階から「辞任やむなし」の見方をしていたと思います。改造内閣は当然ながら前内閣よりもより強固なものにするという意気込みであり、今回の改造では主要なポストは横べりさせ、入れ替えた10人は高市色を強めにすることで万全の体制を期すはずでした。

農林水産大臣の交代についての会見をする高市首相 首相官邸HPより

高市氏はやや頑固なところがあり、自分が言ったことはなかなか曲げないタイプです。故に自分が任命した人に間違いはないという強い自負があり、それが逆に災いしたかもしれません。

では高市氏の顔色が悪いのは簗氏の問題で振り回されたことだけが理由でしょうか?

私はそう素直に受け取れないのです。内閣を取り巻く問題があまりにも多く、首相にとって良い話は一つもない、四面楚歌どころではない状況にあるとみています。

国会だけを見ても最大の肝である食品消費税の審議が間もなく始まります。では衆議院の定数削減についてはどうするのでしょうか?維新は本件に絶対的な要求をしています。現状、食品消費税問題を先に取り上げるわけで衆議院は通過するでしょう。問題は参議院です。仮に野党が大いなる不満を見せ、歩調が合わなければ否決される可能性はあります。その時、衆議院に差し戻して強制的に通過させることは可能ですが、そのやり方をすればそれ以降の国会運営は相当困難になり、定数削減法案は生半可なものではない、いや、むしろ今臨時国会は泥沼になり、どうにもならない状態になるとみています。

そうなれば維新も「約束が違う」と言いかねず、安定連立政権に黄色信号が灯るとみています。

今回の簗氏の問題を見ると自民党内から厳しい声をハッキリと述べた田村憲久、鈴木宗男、萩生田光一各氏らの動きは注目すべき点だと思います。かつて自民党内でこのような問題が生じたとしてもここまで議員本人を直接的に糾弾することはあまりなかったと思います。当然ながら任命責任者である首相への風当たりだろうとみています。ということは自民党内の亀裂、ないし、結束力が落ちている可能性は否定できません。先の選挙で大勝したことで党内での陣取り合戦がひそかに始まっているような感じにも見受けられます。つまり高市氏の後を意識し始めた可能性です。

私は国会運営の問題は高市氏の顔色の悪さの半分だけだと思っています。残りの半分は外交に尽きます。

項目を挙げましょう。

  • ICC問題
  • 中国外交問題と中国で行われる11月APECでの会議
  • ロシアに拘束された北海道新聞記者の問題
  • そして最大がトランプ氏の行方

であります。

各項目、それぞれコメントすると長くなるのでかいつまんで述べますが、ロシアによる記者拘束はロシアの外交プレイだと思います。つまりプーチン政権が日本に揺さぶりを本気でかけるその一つに過ぎないとみています。ICC問題でロシアは赤根所長らの身柄引き渡しを要請しています。以前にも書きましたが、赤根所長がロシアにさらわれるリスクはわずかかもしれませんが、ありえるわけで、ロシアは真剣に日本の政権に揺さぶりをかけてきそうです。これに対してアメリカは本件で味方してくれません。その場合の解決の糸口は相当困難になります。

そのような動きがなぜ突然始まったのでしょうか?私は中国が囁いたような気がしてならないのです。ロシアは動きが非常に読みづらく、少なくともプーチン氏直接には外交的懐柔はできないでしょう。ならば唯一の方法は習近平氏との関係改善を通じてロシアに「そろそろ止めろ!」と言わせるしかないのではないでしょうか?お前も大げさだな、と言われるかもしれませんが、外交はあらゆる可能性を考慮に入れておく必要があるのです。

もう1つがトランプ氏に媚びを売った点です。私が見る限り外交手腕的に高市氏を評価する外国はさほどないように感じます。最大の悪手はトランプ氏に抱きつくほど「親密ぶりをアピール」したことがあまりに印象的で日本の外交はアメリカとのペアが絶対条件だからそれ以上の展開はないと見限られた点です。そのような中、中間選挙を控えるトランプ氏の政権運営は傍で見ていてもめちゃくちゃで、目も当てられない状態です。これは高市氏にとっては外交的にやりにくいはずです。

これだけの問題を各方面に抱える中、もう1つの気になる点は首相が一人で問題を抱え込むタイプであるところです。これは以前から指摘している氏の性格です。高市氏は「簗問題は私に責任がある」と述べましたが、これから本格的な難所がいくつも待ち構える中、本当に乗り切れるのか、私は心配でなりません。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年10月15日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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