政府・与党が、ガソリン補助金の段階的な縮小を検討している。ロイターによると、早ければ12月から補助を減らし、全国平均で1リットル170円程度に抑えている価格を、毎月5円程度ずつ引き上げる案が出ている。終了時期は未定だが、財源の限界が出口を迫っている。www.newsweekjapan.jp

安くしたのは店頭価格だけ
資源エネルギー庁によると、10月22日以降のガソリン補助単価は1リットル42.8円だ。給油の際には見えなくても、その原資は公費である。輸入する石油そのものが安くなったわけではない。nenryo-teigakuhikisage.go.jp
補助金には、家計や物流への急激な打撃を和らげる効果があるが、店頭価格を抑えることと、経済全体の物価上昇圧力を弱めることは同じではない。供給が不足しているときに価格を抑えれば、消費を減らす動機まで弱めてしまう。
首相は「財政負担への懸念から、段階的な見直しや出口戦略を考えるべきだとの指摘をもらった」と官邸で語ったが、一番きいたのはベッセント財務長官の指摘だろう。
不足している石油の消費を支える矛盾
原油が高くなるのは、限られた供給に対して需要が多いからだ。値上がりは負担である一方、不要不急の運転を控えたり、省エネに投資したりする契機にもなる。
補助金は、この調整を鈍らせる。政府がお金を出しても原油の供給量は増えない。供給制約が続く局面で消費を支えれば、補助がない場合よりも需給が逼迫し、調達価格への上昇圧力が残る。
実際、日本では中東からの調達難を受けて代替輸入や備蓄放出が進められ、石油製品の供給不安も報じられている。こうした状況で燃料の使用量に応じて補助を配る政策は、節約を促す必要性と衝突する。news.tv-asahi.co.jp
価格ではなく困っている人を支えるべき
地方の通勤や物流など、簡単には燃料消費を減らせない分野への配慮は必要だ。しかし、燃料を多く使うほど恩恵が大きくなる一律補助は、生活困窮者を重点的に支える制度にはなっていない。
必要なのは、価格の段階的な正常化と、低所得世帯などへの対象を絞った支援である。燃料の使用量に比例しない給付なら、生活を支えながら節約の動機も残せる。
「物価高対策」の名で不足する資源の消費を支えると、最後は財源不足で値上げに戻る。この冬には電気・ガス料金の補助も再開するというが、それもやめるべきだ。






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