原発、TPP、対中対韓外交など、争点満載の衆議院選挙であるが、とかく経済政策に関しては、党首級の幹部に経済の専門家が少ないためか、候補者の政見も百家争鳴で、誰が何を考えているのかよくわからない。
これはある意味仕方のないことで、エコノミスト/経済学者の間でも様々な意見が飛び交い、誰の言うことを信じたらよいのかよくわからないからである。アゴラやBLOGOSの読者コメントもバラバラで、主張が噛み合っておらず、堂々巡りの議論をひたすら繰り返しているように見える。
こういうときには、争点になっている複数の政策項目を絞って、一覧表にまとめるとわかりやすい。下記は、円高とデフレ対策について、経済誌や専門書で述べられている通俗的な論点を筆者がまとめたものである。必ずしも理論的整合性が取れていない点はお許しいただきたい。
これを、衆院選の候補者に見せ、どれが正しいと考えるのか意見を拝聴できたらとてもうれしい。筆者自身も、どれが正しいのか正直わからない。ただ、候補者に意見を表明してもらうことにより、何を考えているのかは整理できるだろう。国会議員は経済学者ではないから、何が正しいか間違っているのかの議論はしなくてもよい。どう考えるのか、どうしたいのか、まずはそれを表明してほしい。
このように、類似する複数の政策的論点が交錯する場合(例えばTPPと農地法改正、原発の再稼働と発送電分離など)、マトリックスにして政策的立場をまず明確にして議論を進めることは、十分意義があると思われる。今後各地で開催されるであろう衆院選候補者の公開討論会などで、是非活用していただきたい。何をしたいのかを表明しなければ、議員になる資格はないのだから。
伊東 良平
不動産鑑定士
(一有権者として)