10年に一度、と言われた台風26号は、10月15日夕方から16日の午前中まで関東地方へ猛烈な雨と風で襲いかかりました。もっとも大きな被害が出たのが伊豆大島。長時間の風雨にさらされ、島内各地で大規模な土石流を発生させました。17日8時の時点で、大島町では死者17人、行方不明が43人、とのことです。
国土地理院のサイトで「災害情報共有マップ」が公開されています。ここでは台風26号で被災した伊豆大島の被災地上空を斜めから撮影した写真を見ることができるんだが、土石流出の範囲がかなり広いことがわかる。さらに左右の斜面でも細長い流出カ所があり、地面表層の火山灰が4時間以上も降り続いた記録的な大雨で崩落したのでは、と考えられています。気象庁によれば、当日の伊豆大島では1時間あたり122.5ミリの猛烈な雨を観測し、1日の雨量は800ミリ以上に達したとのこと。これらは観測史上最多です。
伊豆大島で起きた今回の台風被害では、いくつかの疑問や問題が明らかになっています。たとえば、大島町の川島理史町長が島根県出張で不在だったこと、さらに警察からのたびたびの避難勧告要請にも動かなかったこと、などが問題視されています。10年に一度、という大型台風の接近に際し、出張で不在という町長の行動には首を傾げざるを得ません。避難勧告の指示には各地に特有の事情もあると思います。しかし、だからこそ、その土地の性格を熟知したリーダーが現場にいなくて、どうして住民の安心安全が守れるというんでしょうか。
一方、相変わらずネット上では、真偽不明の情報が飛び交っていました。災害発生の際には、救助のための静寂を作り、地中やがれきの下にいる生存者からの音を聞き取りやすくするため「サイレントタイム」という時間帯が設定されるんだが、報道機関が飛ばしたヘリコプターの騒音でサイレントタイムが作れず救出作業が滞った、という書き込みが話題になっています。このデマについては、表題のブログをご覧ください。災害現場上空でヘリコプターのホバリングを指示する報道機関の姿勢が批判されるのは今さら。とにかく、亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに行方不明の方が一刻も早く無事に発見されることを願っています。
素浪人♪の日々不穏
伊豆大島、陸自など徹夜の捜索 なお43人不明 ~またまたデマッターで真偽不詳のツイートが。どうやらマスコミは全く信用されていない模様w~
里山システムと国づくり
夜間飛行
本の紹介です。『里山資本主義』という本らしい。「里山」というのは懐かしいです。水を張った田んぼが空を映す中に、こんもりと茂った森があったり、刈り入れ後の広々とした田園の夕景を背景に黒々とした雑木林が見えたりします。人間が手を入れた田畑と共存する「自然」なんだが、点在する里山を拠点にして様々な生物たちが往き来し、バランスのとれた地域全体の生態系を構築する、というわけです。しかし、稲作日本の「原風景」ともいえる里山も開発や造成などで次第に姿を消している。点と点を結び面になっていたものが、あちこちの点が欠如することで、全体のバランスが大きく損なわれます。我々は再度、この「人の手の入った自然」を見直すべき、というわけです。
臭くなければぐうかわいい。スカンクをペットに飼っている人たちが急増中
カラパイア
米国における「スカンク害」というのは、けっこうバカにならなくて、スカンク臭専門の処理業者がいるようです。アレにやられると、大変なことになり、家の庭なんかでヒラれたらしばらく家の近くに寄れないわ、車の近くでやられた日にゃ中古市場で買い叩かれるわ、イヌやネコなどがトラウマになるわ、狂犬病を媒介することもあるわで、米国人は目の敵にしてます。知らなかったんだが、ネコ科の動物なんですね。
米国・超保守主義世代の台頭
日本のビジョン・ブログ版
世界中で「保守」や「ウヨク」が勢いを増しています。米国の「ティーパーティー」いわゆる「茶会」もその一つ。共和党の中で無視できない大きな勢力になっています。連中については、共和党でももてあまし気味。いっそ別の政党にして追い出せばいい、という意見も出てきたんだが、カッチリした組織なわけじゃないので、彼ら自身が納得しないでしょう。このブログによれば、そもそも共和党側が茶会を取り込んだそうです。なら、なおさら追い出すのは難しそうだ。日本の「ネトウヨ」や「在特会」あたりが自民党に入り込んだようなもんです。獅子身中の虫、というわけで、ご同慶の至りにならないように注意しましょう。
稀な危機 vs ありふれた失敗─リスク対策の優先順位を考える
タイム・コンサルタントの日誌から
リスク・マネージメントにもコストパフォーマンスがある、というブログです。なかなか興味深い。これは原発事故などにも当てはまるかもしれません。滅多に起きないけれど、起きたら重篤な影響が考えられる事故。よく起きるが影響は軽度な事故。どちらがよりコストパフォーマンスに優れているか。もちろん、追記で念を押されているように、軽度なリスクだから軽んじていいわけではありません。
アゴラ編集部:石田 雅彦