修正が効かない電波政策 - 真野 浩

真野 浩

総務省は、ホワイトスペース活用の全国展開を目指す「ホワイトスペース推進会議」を開催するそうだ。これは、先に発表されたホワイトスペース特区の免許者も参加して、主に地域ワンセグによるホワイトスペースの利活用を推進して、全国に展開することが目的のようだ。


携帯電話の周波数割当とか、無線LANの高度化のように、民間需要が充分にあるものは、この類いの推進協議会のようなものを官主導で作らなくても、自然に普及する。しかし、こういう推進協議の為の組織やら会議やらを組成するというのは、そもそも市場ニーズがなく、行なってしまった裁量行政を後追いで正当化するためのものなのではないだろうか?

既に、色のついてしまったキャンパスは、もう白く戻らないということで、このまま上塗りを続けて行くのか、それとも期間限定をしてでも、新しいキャンパスに切り替える勇気をもつことも重要ではないだろうか?

例のマルチメディア放送も、どうやら近々に結論を出すということで、これも同様に後戻りや修正は期待出来そうにも無い。

いにしえより、過去の事例を総括、評価しない悪習の継続は、決して良い結果を生まないことは自明であるが、残念ながら過去の電波行政の総括は未だにされない。

電波政策ビジョンでは、三年毎の周波数利用の見直しが掲げられていたのだが、技術中立性や使途とスペクラトムの分離等の制度の見直しを伴わないために、その効果は期待できない。

周波数オークションも視野に入れてなどの改革の旗印は打ち出されても、その実態はこのような裁量的な判断によって新たな既得権が生まれ、それが居座るという構造的欠陥は修正されないままのうようだ。

例によって、いつものメンバーみたいな有識者の皆様が委員に名を連ねているけれど、この方々は本当にいまのホワイトスペースの利用形態が適切と思われているのだろうか?

それでも、今回の委員の中には、日頃から電波行政問題に対する懸念をお持ちの知り合いの名前がも有るので,彼らがどのうよな発言をされ、それがどう反映されるのかは注目し、期待したいところだ。 ガラパゴス推進委員会に成らん事を祈る。