久しぶりに為替介入が行われました。確かに「米国要因の円高に効果は限定的」であり、例えば90円/ドル台へ誘導するような効果はないでしょう。が、「やる時は単独でも行う」というメッセージを出した点は良かったと思います。タイミングとしても合格点。まぁ、欲を言えば「もう少し前に行った方が」とは思いますが、日銀も「不胎化しない(非不胎化)」を表明し、後方支援を行っているわけですから、それなりの「本気度」が感じられます。
とはいえ、現状、米国は実体経済も芳しくなく、何と言ってもオバマ大統領が「輸出振興」を標榜している以上、少なくとも対ドルでは今後も、当面、円高傾向は続くでしょう。急激な為替変動に対しては「口先」「さらなる金融緩和(もどき)」「実弾での為替介入」ということで対処するとしても、潮流としての円高を食い止めることはできません。となれば、「円高」を考慮した構造改革が求められることになります。
その意味で「内需拡大」が求められるわけですが、「だから」と言って、菅さんが代表選挙の際に連呼していた「雇用」だけではうまくいかないのも明らかです。経済学的には「経済成長→雇用」であり、その逆ではありません。したがって、経済成長にとって必要となる政策を打ち出していくことが必要なのです。ということで、ここでは購買力平価(対ドル)からみた日本経済の問題点、及び、打ち出すべき政策を考えてみたいと思います。
まず、多くの人が利用する日銀作成の実効レートですが、現時点でも名目レートは95年の円高水準を超えています。対ドルだけでみた場合、95年当時の79.75円/ドルは超えていませんが、貿易実績を加味した実効レートでみた場合には、すでに最高値水準にあることを意味します。つまり、円は独歩高だということです。
しかし、この実効レートを実質でみた場合には、かなりの円安水準であることもわかります。実質レートが円安水準であるというのは、日本がデフレであり、他国がインフレだったわけだから、名目為替で損であっても、物価格差で利益が出ているはずだということになります。つまり、名目為替でみるほど「企業は困っていないはず」ということが言えるわけです。これを持って「今の円高は(実質でみると)問題ない」という話があるわけです。
確かにその通りなのですが、この日銀の実質実効レートに使用されるデフレータは、基本的には「企業物価」であるものの、統計上の問題から消費者物価を使用している国も存在している、という点は考慮すべきでしょう。為替レートが最も関係する物価は“輸出物価”であり、一般に輸出物価の方が企業物価よりも低く抑えられています。また、生産者物価も、消費者物価に比べれば低い水準になっているのが普通なので、いろいろなデフレータをミックスして作成している実質実効レートをもって「実質にすれば問題はない」というのは問題があるかもしれません。
ということで、ここからは「国際決済通貨として6割以上ある“ドル”」と「自国通貨である“円”」の購買力平価(PPP)でみていきたいと思います。
国際通貨研究所の推計によると、趨勢的にPPPは円高方向に推移しているものの、スポットレートが87.67円/ドル時点において、輸出物価でみた購買力平価は70.40円/ドルになっています。つまり、米国向け(または、決済がドルでの)輸出においては80円/ドルを上回る程度の円高であっても問題はなく、米国(またはドルを決済通貨とする)貿易では価格競争力があることを意味します。
これは(日銀の実質実効レートからのインプリケーションと同様に)日本が輸出をしている商品は非常に価格競争力があるので、今の80円/ドル台であれば全く問題がないということを意味します。そもそも輸出企業は、日本政府の規制等が及ばないところで戦っているわけですから、独自に人員や中間財をフレキシブルにしたり、生産性を常に向上させることによって世界と戦い、生き抜いてきた企業群です。価格競争で負けた場合には淘汰されるのですが、今程度の円高で大きな問題になることはないでしょう。
ただし現実の為替レートは、理論的には貿易によって決まっているわけですから、世界的なイノベーションでも起こらない限り、今後も世界的な価格競争の結果、実際の(名目)為替レートは円高気味に推移する可能性が高いものと思われます。まぁ、円高傾向がずっと続くとしても、日本の輸出企業は本拠地を日本に置く必要が「あまりない」のであれば、技術だけを内部化し、日本から離れることも可能なはずです。これは日本経済にとって空洞化を招くという意味で問題ですが、個別企業にとっては合理的な行動であるといえます(このような空洞化がドンドンと進めば、円高傾向は修正されるかもしれませんが・・・汗)。
他方、企業物価でみたPPPは105.18円/ドルなので日本国内の企業全体にすると、今の円ドル為替レートでは、国内企業は世界的にみて「価格競争力がない」ことになります。とはいえ、輸出をしない企業にとって価格競争力がなくても、そもそも世界とは競争しないのだから問題はなく、逆に、輸入業者にとっては有利とみることも可能です。これは消費者物価でみた場合、さらに顕著になります。消費者物価でみたPPPは135.79円/ドルですから、現状の(名目)為替レートであれば、ドンドンと輸入をすべきであるということになります。
しかし、この(消費者物価の)PPPの状態で輸入をするということになれば、当該輸入財における国内の競合財が価格競争に負けて国内企業が淘汰されることを意味します。実際、ファスト・ファッション企業やLCC(格安航空会社)などが参入したことによって、小売やサービスの業界に大きな影響を及ぼしています。
とはいえ、このような例は比較的少なく、今までは市場開放をしてこなかったり、規制がかかっていたことによって国内企業を保護してきたので、為替変動が国内企業に影響を及ぼす割合が少なかったと考えられます。が、一方でこのような保護策によって、各種実証データで明らかなように、国内産業、特にサービス業や中小の国内製造業等は大手製造業に比べて著しく生産性が低い状態でも生き残ることのできる社会を造り上げてきた、ともいえます。
「生産性が低いから淘汰しろ」という乱暴な話ではないのですが、例えばNetの普及によってドンドンと内外の垣根がなくなり、財・サービス市場でもグローバル化が進展してきているわけですから、現状のような円高は、これを原因としてデフレを加速させる可能性もあるわけです。つまり、現状の「円高の問題」というのは「輸出企業に対する問題」というよりも、むしろ国内産業、特にサービス業や中小の国内製造業等の問題であると認識すべきだと思います。
といっても、「だから円高を止めましょう」という話ではありません。上述の通り、政府・金融当局は一時的に流れを逆流させることはできても、潮流としての円高を変えることは不可能です(つまり、「円高」になる速度を弱めることは比較的容易かもしれないが、円高そのものを「止める」ことはできないということ)。
なので、潮流としての円高に対しては、国内産業の生産性を高めていく以外にありません。そのためには政府は「保護」ではなく、規制緩和を行っていくことこそが重要であり、企業の新陳代謝がスムーズに起こるような社会にしていくことが求められます(何をどのような順番で緩和していくのか等は議論があるところだと思いますし、それは政治が行うべきだと思います)。新しい企業が新しい発想でいろいろな事業を行う中からイノベーションが生まれ、そして、国の柱になるような産業も生まれてくるものです。
とはいえ規制緩和等を行えば、当然に多くの企業が淘汰されることにわけですが、「公的な意味を持つ産業」や「共益的な事業」等については、経済的な意味だけで淘汰されないような仕組みが必要です(これが「新しい公共」など)し、既存産業が新陳代謝する場合には雇用も流動化しなければならないのですから、雇用のセーフティネット(再雇用教育等)も今以上に重要になってきます。また、新しい企業を興す際にはそれなりの資金が必要になるものの、現状ではリスクマネーが流れないために起業ができないという問題もあります。これでは「企業の新陳代謝」など生まれません。その意味でアーリーステージにある企業でも資金が付けられるような仕組みを構築することで、資金的なセーフティネットを考えていくべきでしょう。
まぁ、簡単な話ではありませんが、このような政策をいち早く打ち出していけないと、世界情勢を考えた場合、構造改革に費やせる時間もあまりないように感じます。
「円高に対しては断固な措置を取る」と言い続けている菅政権ですが、「円高」に対して金融的な措置や小手先の介入などでは根本的に対処できません。円高になっても、それに打ち勝つだけの「強い日本」を創り上げることが求められているのですから、そのための政策を“早急に”打ち出してほしいものです。
コメント
前田拓生先生、いつも、面白く拝見させて頂いております。
今回は、どうも腑に落ちない実質実効相場では無く、購買力平価を取り上げて頂き、すっきりしました。
できれば、中国を始めとするBRICS等新興国の購買力平価と、日本を含む先進国とを比較した、ご見解を承れますと深甚です。
企業の価値が高いので円高ではあっても、労働者の価値は相対的に低いので、物価、賃金ともに高すぎ、企業経営が苦しいというだけでしょう。
解決策は、価値の高い企業に出ていってもらうか、物価と賃金を下げるかのどちらかで、雇用を重視するならば、当然後者です。
公的債務は、マイナス金利をどうにか導入して返すか、さもなくば踏み倒すしかないでしょう。
為替介入は、戦術的には大成功でも、戦略的には失敗だったのではないかと思います。中国為替の包囲網に穴が開きそうになってますよ。
そろそろこの介入から撤退しなければなりませんが、戦術的にはうまくいっている中で、非を認めて撤退を決断できるんでしょうかね。
hca02673さん、いつもありがとうございます。
>中国を始めとするBRICS等新興国の購買力平価と、日本を含む先進国とを比較
データ取得の関係もあり、「すぐに」は難しいですが、また、時間があれば考えてみます。
disequilibriumさん、いつもありがとうございます。
「価値の高い企業に出ていってもらう」という意味がよくわかりませんが、労働者の賃金が高く、競争力が落ちているというのは正しいでしょうね。国内産業の大企業は労働組合に守られた労働者によって賃金が下がらず、それがために商品価格が下がらないということだと思います。
P=w/MPL:但しMPL=限界労働生産性。
この式が購買力平価でみる際の基本式になっています。
「価値の高い企業に出ていってもらう」というのは、文字通りの意味で、それで円安になるので、物価と賃金を下げてバランスを調整する必要がなくなるということです。
それでデフレから脱却することができるというだけで、それで良いと言っているわけではありません。
式で考えると、逆に分かりづらいと思うんですけど、式を補足するならば、生産性は労働者に属しているのではなく、企業側に属していて、なおかつその企業がグローバル化しているということです。
その場合、生産性の向上で企業の競争力が高まっても、円高に要因にはなりえても、賃金の上昇には結びつかず、むしろ円高で名目国内賃金は低下しますよね。
まあ、現実はそこまで単純ではないのですが、基本的にはこれに従うはずです。
disequilibriumさん
>「価値の高い企業に出ていってもらう」というのは、文字通りの意味
「文字通り」という意味がわかりませんね。そもそも購買力平価でみているわけですから、商品の「価格(P)」で考える必要があります。
π=PY-wN
ここで限界利益を0とすれば・・・
P=w/MPL
になります。
これで説明しないと経済学的なインプリケーションにはなりません。
なお、「価値の高い企業」は「価値の高い“商品を生産している(または、提供できる)”企業」という意味なら理解できます。
>なお、「価値の高い企業」は「価値の高い“商品を生産している(または、提供できる)”企業」という意味なら理解できます。
その意味で書いています。
何度も書くようですけど、価値の高い(中略)企業は、最早、国内労働力に依存していないので、そういった企業の国際競争力を高めても、円高と法人税収しかもたらしません。
円高対策としては、価値の高い(中略)企業の国外移転によって円高を止めるか、デフレ容認政策を行うしかないのではないかと思います。
前者の場合、国富が減少しますが、後者の場合、デフレ容認せずに賃金を下げなければ雇用が失われますよね。
雇用が最優先ならば、この2つの中から選ぶしかないので、もし、デフレを容認しないならば、前者になってしまうのではないかと思います。
すなわち、円高に強い社会というのは、デフレに強い社会なのではないかと。
昔は政府短期証券(FB)の金利が低かったので市場では全く消化できず、日銀が全額FBを引き受けて、その後不胎化していましたが、今ではFBの金利が高く、全て市中で消化されます。従ってマニタリーベースは不変で、不胎化、非不胎化の論議はおかしいのです。現在、為替介入の為の調達資金は全て不胎化されるというのが正解です。
詳しくは:
http://bullbear.exblog.jp
http://www.fujimaki-japan.com/takeshi
>その意味で書いています
文字だけの議論ですから、出来るだけ丁寧に書いた方が良いでしょう。変な処を省略すると意味がわからず、思わぬ誤解を招くものです。
>円高対策としては、価値の高い(中略)企業の国外移転によって円高を止めるか、デフレ容認政策を行うしかないのではないかと
コラムに書いたように大手輸出品製造業はすでに自立しているので、この点をいろいろと論じる必要はないと思います。また、このような企業が海外に出ることで「円安を望む」という人は、経済学的に議論の外と思われます。
要は、このまま円高が続くのであれば、中小の製造業や第三次産業の生産性を如何に高めるかがポイントですよ、という話をこのコラムでは行っています。円が高くなり輸入品との競争力が劣っている現状では戦いにならないわけだから、その点を構造改革によって何とかしないとダメでしょう、という話です。
中小の製造業や第三次産業の生産性を高めることが出来れば、経済成長も望め、雇用も増える可能性がある、ということを書いているのです。
hogeihantaiさん、わざわざご指摘をいただきましたが・・・
わざわざ「不胎化しない」と日銀が言っているのであれば、日銀資金が出ていると思われます。
日銀は例外的に為券を引き受けることができます。
http://bit.ly/bKCucvのp58。
まぁ、「為替介入を行う」という場合、介入資金を財務省がマーケットで調達してから日銀に介入の委託をするという可能性は「ない」とはいえませんが、財務省が資金調達をしている事実を如何に隠れてするかが問題となるでしょうね。
事実上、そのような為替介入は不可能と考えます。
上述の通り、平成11年度改正後も例外的に外為証券は日銀が引き受けられるので、そうするでしょう。
disequilibriumさん
>そういった企業の国際競争力を高めても、円高と法人税収しかもたらしません。
コラムを読んでいただければわかると思うのですが、「大手輸出品製造業企業の国際競争力を高めましょう」というような話をしているわけではないので、この点は誤解がないように!
なお、
>後者の場合、デフレ容認せずに賃金を下げなければ雇用が失われますよね。
この点も上記の式で明らかなように賃金を下げなくても、生産性(MPL)を高めれば、国際的な競争力がつきます。だから、わざわざ式をレスに加えているのですが、ご理解がいただけないようですね。。。
>この点も上記の式で明らかなように賃金を下げなくても、生産性(MPL)を高めれば、国際的な競争力がつきます。だから、わざわざ式をレスに加えているのですが、ご理解がいただけないようですね。。。
何度も書いてるんですけど、生産性を高めても、それは企業に属するものであって、他の国にも移転可能ではないですか。企業の国際競争力はつきますが、労働者の国際競争力ではない。
その結果賃金が実質的に下がるわけではないですが、企業の国際競争力が増せば、円高になり、名目賃金を下げざるを得なくなると。だからデフレ容認が必要になるという話です。
hogeihantaiさん、追伸ですが・・・
そもそも日銀は「現下の経済ファンダメンタルズを考慮して常に”適切”な金融政策決定をしている」というのが建前です。ここで財務省から「円売り介入」の委託を受け、実施した場合、この介入によって、適切なはずの円資金の水準が「過剰に供給された」ことになります。これは日銀の決定によって資金が増加した訳ではないので、日銀としては適正水準に戻すために「不胎化する」のが当たり前といえます。
なので、今までは「介入→不胎化」をしてきたわけです(その時点のみですが)。
とはいえ、不胎化すれば円売り介入の意味がなくなるので、不胎化せず(非不胎化)、そのまま放置すべきという意見が政府側から出されることよくあるわけです。そのたびに日銀は「非不胎化は問題」として、表立っては反抗しなくても、裏で不胎化をしてきました。
しかし、今回は「非不胎化」を表明しているわけで、これ自体が市場に受け入れられているわけです。まぁ、3ヶ月後にFBが市場から回収されるのでしょうが、それでも、今時点では有効であり、日銀にとっても「かなり不名誉」な決定を飲んだというのが、良い訳です。
なお、日銀の金融政策決定に「問題があった」ということを認めるということが「不名誉」の意味です。
disequilibriumさん
「何度も書いてるんですけど」と言われても、なかなか意味がわからないのですよね。何を議論しようとしているのでしょうか?
>だからデフレ容認が必要になるという話です
これが結論という話ですか?
私のインプリケーションに対する問題提起なのか、それとも、このコラムとは関係ない部分でのお話なのでしょうか?
なお、ここではあくまでもPPPを中心に議論をしているので、それに則してのレスを期待します。
PPPを中心にしたコメントになってない気がするのですが・・興味深い話題だったので書かせて頂きます。
政府は外為特会(予算)からオペしたということですが、実弾ではないと思います。補正や急に必要になる場合、FBで調達しますし、FBはほ100%市中で消化されてます。
日銀は毎年70兆円ほど刷って69兆円ほど回収します。日銀の言う非不胎化はどれほどのものか期待できるものではありません。
現にマネーサプライはずっと横ばいで、近年増加が激しかったのは91年のバブル崩壊で市中の銀行が急激な金不足に陥った時くらいです。その後、極端に振り出した現金を回収し、不胎化に努めてます。
アメリカもリーマンショックで通常の3倍ほど刷ってますが、不胎化すると言ってますし、現金価値の競争を言うなら、日本ほど競争が激しい国は見当たらないということになります。為替でみるとスイス・フランと円の二種高なのですが、スイス・フランは金融規制緩和をしてるわけではないので、通貨競争力でみると独歩高でしょう。
記事にあります名目と実質レートの差でも歴然ですが、日銀は通貨供給量が少ないので、デフレを誘導してるのではとも思えます。
日銀の供給量は、政府一般会計予算とリンクしてるようですが、日銀当座預金推移によっても決まってきてるようです。
金本位制だった頃の金保有量みたいなものでしょうか。。。
そう考えると国際決算通貨であるドルがドル安を容認するのは許しがたい行為ですが、弾力性を求めないと市場はコントロール出来ないようです。
日本の市中銀行は住宅ローンが柱で、アメリカのように企業融資が多いわけでもなく、0金利に近い状態でリスクを負うこともできない、金融緩和状態であるにも関わらず、個人向け融資の量的規制を行っていて、銀行はカネ余り状態です。
0金利は政府系融資の金利を下げるためだけに存在してます。
bellydancefanさん
レス10、13でも書きましたが、為券の場合、日銀が引き受けることができます。
参考:財務省
http://bit.ly/bKCucv
のP58
1年を通じた場合、「不胎化したか否か」ではなく、介入したことによって増加した資金を回収しない状態で「しばらく(2~3カ月)様子を見る」というだけでも十分に緩和効果はあると考えられます。
>日銀は通貨供給量が少ないので、デフレを誘導してるのではとも思えます
マネーストックが伸びないのは、日銀の責任と言うよりも、銀行システムの問題が大きいと思われます。また、より根本的には、実体経済に資金需要がないからなのです。
実体経済の資金需要を高めるためにも、コラムにあるように、経済的にセーフティネットを張り、新陳代謝がスムーズにいくような対策が必要になると思っています。