ソーシャル化が進む世界でビジネスを行ううえで必要な3つのポイント ( @ogawakazuhiro )

最近(2010年12月のことです)、商社時代や日立製作所時代の同僚や後輩に偶然出くわすことが三度続きました。普通の街中でのことで、さらに言えば数年から十数年の時間の空白があってのことです。
特に仲のよい相手であったわけでもなく、名前と顔が一致したことさえ、少し驚きでした。

知人にこれを話したら、リアルソーシャルメディア効果ですね、と言われました。うん、そうかな、と一瞬思いましたが、実は何の関係もない(笑)。とはいえ、実は半年前には高校の同級生をFacebookで発見し、かつ、その本人と偶然僕らモディファイが入っているビルで再会するという”偶然”も味わったところだったのです。だから、もしかすると、Facebookを始めとするソーシャルネットワークが浸透し始めたことで、リアルの社会でも、インターネットでいうところの”ソーシャル化”が進んできたのかもしれません。

映画「マトリックス」では、マトリックスと呼ばれる(プログラミングされた)仮想世界と現実社会の境目がにじみだし、主人公であるネオと宿敵であるスミスが、(ネオは実体のである人間、スミスは自我を持ち始めたプログラムです)、互いの世界に浸透し始めることでヴァーチャルとリアルが相互に関係性、因果律を持ち始めるという話でした。

いまや、中国、インド、Facebookと言われるように、ヴァーチャルの世界であるはずのFacebookでのつながりは国家に帰属するのと同じような意味合いさえ持ち始めているのかもしれない。
そういうソーシャル化が激しく進む、いままでは全く異なる世界に、我々は実は既にいるのかもしれません。

僕たちは、それぞれが所属する社会、業界、市場、職業などによって、ライフスタイルもワークスタイルも大きく異なります。僕はスーツを滅多に着ません(大好きですが)。髪の色も好きにできるし、服装に何かの制限を持つ必要もない世界にいます。もちろん、行っている仕事はナショナルクライアントを相手にする仕事ですので、相手に不快感を与えてはならないのですが、クリエイティブであることを体現している限りは容認される、エッジなスタイルでい続けることを許されている幸運な立場にあります。しかし、それは、そのまま、結果を出さなくてはならならいという責任との裏腹であることはいうまでもありません。
まして、ソーシャル化が加速する社会にあっては、好感度も悪評も、毀誉褒貶はすべて紙一重の中にあるからです。

僕は、ソーシャル化が進む世界におけるビジネスの重要なポイントを以下の3つと考えています。
・オープン
・スピート
・(適度な)排他性

オープンであることは、ソーシャルであることの大前提でもあります。情報を公開し、人に知られることを恐れていては、ソーシャル化した社会で成功することはできません。オプラ・ウィンフリーは全米一知られているテレビ司会者ですが、自分がブランドであることを受け入れられず長年苦しんだものの、ついにブランドとしての自分を受け入れる決意をしたそうです。同じように、人からどう見られるかというよりも、ソーシャル化した世界の中で周囲が抱いている自分へのイメージと共に生きることを選択することが、ビジネスにおいては重要と思われます。
クローズドな社会は快適ですが、快適さを捨てて、より開かれた世界へと足を踏み入れる勇気こそが必要だと思います。僕はFacebookでも顔も名前も経歴も携帯電話番号さえ公開しています。

次に大事なのはスピードです。
例えば僕は12月17日に依頼された企画を元に、4日間で一冊の本を書き上げました。
普通はあり得ないスケジュールでの依頼ですが、僕なら対応できるという実績があるからこそ、その依頼が来る。モディファイではいま、某アイドルのソロデビューに合わせてソーシャルブランディング用のプラットフォームを開発しています。依頼されてから2週間で立ち上げるというハイスピードです。それを実現できる開発力と、それを成立させることをクライアントに知っていただいているからこその仕事です。
オープンであり、スピードがある。スピードがあることをオープンにしている。ソーシャル化された世界では必要なことは俊速で伝わっていきます。スピードが何より大事です。

そして、三番目に必要なのは”排他性”です。
これはオープンであること、という条件と若干矛盾しますが、適度な排他性はお客様のロイヤルティを高める最大のコツです。これをセミクローズドあるいはセミオープンと言ってもいい。
AppleやFacebook、あるいはmixiが成功したのもこれがあったからです。

一番目と三番目のコツを矛盾させずに同時に成立させて、かつ、ものすごい速度でことを運んでいく。
それがソーシャル化された世界で成功していくための重要なコツなのです。

・・・・

ちなみに、僕は先を読み、タイムリーにそれを活字にすることに関しては人後に落ちないと自負しています。
事実、
・2004年に日本初のビジネス向けブログ解説本「ビジネスブログブック」(共著)
・2006年に日本初のWeb2.0本「Web2.0Book」(共著)
・2009年9月に、新書としては初のTwitter解説書「仕事に使える!Twitter超入門」
・2010年2月に、ソーシャルメディアマーケティングの初の解説書「ソーシャルメディアマーケティング」(共著)
・2010年10月に、新書としては初のFacebook本「ソーシャルメディア維新~~フェイスブックが塗り替えるインターネット勢力図」(共著)
などをリリースしています。その他にもAppleとGoogleの蹉跌の始まりやスマートフォン隆盛などを予期したさまざまな著書を記しています。

今回、「仕事に使える!Twitter超入門」の続編として、「ソーシャルメディア維新~~フェイスブックが塗り替えるインターネット勢力図」の番外編として、「仕事に使える! Facebook超入門」を書き下ろし、来年早々の発売を目論んでいます。

こういうのはすべてタイミングであり、スピードがすべてです。
今後も、事業をやりながらも情報発信を怠らないことを、目標にしていくつもりです。

コメント

  1. bobbob1978 より:

    インターネットを通じたサービスのよいところは、双方向性を活かして、客の反応を見ながら逐次改良していける点でしょう。客からのリプライも早く、それへ企業側の対応も早い。仰る通りスピードが重要なのだと思います。古代より「拙速は巧遅に勝る」と言われていますが、今ほどそれが重要な時代はないでしょう。