ソーシャルメディアを駆使するために大事なアナログなこころ

松岡 祐紀

ツイッター、またFACEBOOKの登場により、ソーシャルメディアマーケティングというものが声高に叫ばれている。だが、果たしてそれらのものがどのようなものかと根本的に理解している人が意外と少ないのでは思う。

ソーシャルメディア(ブログ、ツイッター、FACEBOOKなど)をまるで魔法の道具のように勘違いし、それらさえうまく使えば自社製品あるいは自社サービスの売上を飛躍的に向上出来ると思い込んでいる人たちが多い。

製品そのもの、サービスそのものになんらかの価値がなければ、ソーシャルメディアを使っても意味はない。時間と金の無駄だ。

「〇〇キャンペーン中!」というツイートや、あからさまにアフィリエイト目的でブログを書いている人たちを見るにつけ、強くそう思う。


では、どのようにすればツイッターで取り上げられ、ブログに記事を書かれるようになるのかというと、「自分でも購入したい製品」「自分でも受けたいサービス」の提供を常に心がけるということに尽きるのではないだろうか。

人は自分たちがものを購入するときは、徹底的に比較検討し、1円でも安く、あるいはより付加価値が高いものを購入しようと必死になる。しかし、いざ自分たちがものを売る段になると、そのような気持ちを忘れ、とたんに傲慢になる。

どこかに「買ってもらって当然」あるいは「仕事だから」という気持ちがあるから、そのような態度に出るのはないだろうか。

「自分だったらこの製品、あるいはサービスを購入したいだろうか」と自問する必要がある。そして、答えが「否」だったら、ソーシャルメディアを活用するのを諦め、巨額の宣伝費を使って、テレビCMや雑誌広告などを打つしかない。

ソーシャルメディアを活用出来るのは、「本物」だけだ。ほかの人たちが思わずつぶやきたくなるような製品、書かずにはいられないサービスを提供しないと、ソーシャルメディアを活用出来るスタート地点には立てない。

そして、「自分でも購入したいか」という指針のほかに、もうひとつ個人的に最も大事だと思っている指針がある。それは「この製品、このサービスを友だちに薦めたいか?」というものだ。そのアナログな気持ちを大事にしないと、ソーシャルメディアというデジタルメディアで存在感を発揮することは不可能である。

株式会社ワンズワード代表取締役 個人ブログ