タイの貿易事情

小谷 まなぶ

 今日は、タイのバンコクに居ます。今まで、中国貿易の話ばかり書いていきましたが、今回は、タイと日本との貿易について書いてみます。


タイからの輸出貿易に関しては、特に厳しい規定がないということです。中国貿易を行っていると、『貿易権』の問題、増値税(VAT)の処理、外貨管理法上での問題など、複雑な手続きが非常に多く、ビジネスを行う上で、中国貿易に関する知識が必要になってきます。しかし、タイから、海外向けに輸出する際には、難しい規制がなく、タイのどの企業でも、海外に輸出貿易を行えるということです。唯一、必要な資格としては、タイの企業として納税を行っていることを証明する『納税証明書』があれば、貿易業務を行えると言うことです。また、支払いに関しても、外貨管理に関する規定は、それほど厳しいものはなく、中国のような外貨管理局経由の支払いという規定もありません。直接、日本からタイにT/T もしくはL/Cなどで、送金することが可能です。
 通関に関しても、タイからの輸出通関は、さほど厳しいチェックはなく、船が出港する前日に、通関手続きをおこなっていれば、次の日に船が出港できるということです。海上輸送に関しても、バンコク⇒東京(日本の主要港)までの航海時間は、8日~10日前後が一般的です。バンコクの郊外の工場から日本の目的地まで、DOOR TO DOORの輸送で、2週間程度で行えます。そのことを考えても、中国からの物流との時間の差は、3日~5日です。物流費関して言えば、海上輸送運賃は、中国航路より、少し高いだけです。日本の製造業が、中国よりタイに進出しようとする考えを持ち始めているという理由も、これらの点を考えたらうなずけました。情報まで!

■小谷まなぶの中国ビジネス奮闘記 (ブログ)