日本社会で力を持っている、電力会社を含めた広義の官僚機構・民間企業・マスメディアは、今まで社会的機能を果たし、相互協力と牽制が働く中でバランスが取れ、それぞれ権力独走を抑制してきましたが、いまや日本のコアが揺らいでいる中で、どの分野においても相次ぐ不祥事や制度疲労によって、信頼が失われています。権力構造の信頼が揺らぐと、就職や家庭生活にも大きく影響し、学生はすでに限界を迎えている新卒一括採用に直面するはるか以前から、将来の進路や人生設計に頭を痛め、家庭でも生活防衛から消費を引き締める・子供を設けなくなるなど、人口減少や社会混乱にも直結しています。
震災後は敗戦直後になぞらえた論評が相次ぎましたが、遅々とした復興・増える自殺者・国内の産業空洞化・厳しい財政と増税など、相次ぐ不安要因の中で”第二の8月15日”を懸念する今こそ、新しい方向性を見出すための必読の一著です。