きょうから4日間、「提言型政策仕分け」が行なわれ、ニコニコ生放送でも中継される。これは今まで行なわれてきた「事業仕分け」とほとんど同じものだが、不要な事業を廃止するだけでなく、それに代わる政策を提言するところが違う。
情報通信(総務省)の中に「電波行政のあり方(新たな周波数の割当て等)」が含まれている。電波政策は自民党の集票基盤として私物化されていたため、民主党が政権を取る前はかなり重点の置かれた政策だった。特に周波数オークションの実施は10年近く前から民主党が提言しており、2009年の総選挙のマニフェストにも入っていたが、政権を取ると電波官僚の抵抗で腰砕けになっていた。
今まで1回数千億円しか実績の上がっていない仕分けの中で、電波政策は「超大型物件」である。UHF帯(700/900MHz)で開放される周波数は合計130MHz。130億円/MHzといわれる単価で計算すると、1兆6900億円の国庫収入が上がる。ところが電波部は、オークションを行なうと決めながら、なぜかUHF帯では実施しないことを決めてしまった。仕分け人の皆さんには、なぜ3GHz帯で行なうオークションをUHF帯では実施しないのかを徹底的に追及してほしい。
総務省は、これを他の帯域に移行する費用を含む2100億円を900MHz帯の新規参入業者に払わせる方針だが、これは移行する必要なんかなく、単にMCAを廃止して携帯電話で同じサービスを実施すればいいのだ。これによってMCAを運営している「移動無線センター」の天下り官僚は職を失うが、彼らにはオークションの免許料で退職金を払えばいい。
700MHz帯は約100MHzが開放される予定なので、ここだけで1兆3000億円の国庫収入が見込める。帯域ごとに細切れに競売するのではなく、700/900MHz帯を同時オークションにかけるべきだ。これで「他の帯域は無料なのに900MHz帯が有料なのは不公平だ」というソフトバンクの論拠もなくなる。
オークションを実施することが決まったのだから、来年あくUHF帯からそれを実施するのは当然である。これで事業仕分けを活性化し、民主党政権が野党時代の初志にかえって官僚による電波の私物化を打破すれば、政権浮揚のきっかけともなろう。
追記:情報通信の仕分けは、月曜の10時からグループBで行なわれる。