2012-15年のIT事情のトレンド ー @ogawakazuhiro

インターネットサービスがどんどんリアル社会への影響を深めていく中で、最も大きなトレンドは「ソーシャル化」と「検索エンジンのクラウドAI化」。

前者は、ありとあらゆる人間関係や思考の共有がネットに置かれることで、社会生活のほとんどがオープンになり、どこにいても”公としての行動”が求められるようになるということ。つまりルールとマナーを守らないと、いつ弾劾されるか分からない、かなり窮屈な世界になるということです。


サウジアラビアの女性は人前では顔や髪を隠して全身黒装束で過ごさないとならないですが、女性専用のサロンや自宅、友人宅では露出の多いセクシーなスタイルを楽しみます。同じように僕たちは一歩外に出れば即、公の場にいるかのような立ち居振る舞いが求められるような世界になるかもしれません。そうすると、気の置けない友人たちと安心してリラックスできるクローズな場を提供するサービスが、今後いっそう流行る気がします。ソーシャルのプラットフォームはFacebook、そのうえに個別のクローズドなサービスが無数に浮かぶようになるでしょう。

後者の検索エンジンのAI化というのは、さまざまな社会サービスを行う上で検索エンジンが社会データベースの役割を果たすということです。街中の情報キオスクも、公共施設の情報検索も、交通情報も、何もかもが個別のデータベースやOSで動くのではなく、クラウド上の巨大なデータベースで動くようになる、それデータベースが検索エンジンだということです。検索エンジンもまたソーシャル化し、リアルタイム化し、ありとあらゆる情報に使う人独自の視点がソーシャルによってカスタマイズされていきます。この世界をリードするのはもちろんGoogleです。

このように、世界はバーチャルとリアルが融合することで大きく変わりますが、当面その世界の動きを加速するのはFacebookとGoogle。そしてそれを個人が使うデバイス(バーチャルとリアルとの接点)はAppleが中心となってリードする。そういう世界がすぐそこに来ていると思います。

– 小川浩 (株式会社モディファイ)