『ムーアの法則が世界を変える』
「半導体の集積度は18ヶ月で2倍になる」―インテルの創業者ゴードン・ムーアが1965年に提唱した法則、いわゆる“ムーアの法則”は、いまや急速に変化を続けるIT業界のみならず、世界中のすべての人々がネットを通して繋がる多くの産業構造や経済システムそのものを破壊し、また想像する威力をもっている。その“ムーアの法則”により、これまでなにが変わり、今後なにが変わろうとしているのか? それらを明快に説き起こしたのが本書である。2007年にアスキーから発行された『過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?』の改訂版。
目次
序章 ビッグ・ブラザーの死
オーウェルの予言
1984年のコマーシャル
中央集権システムの終焉
第1章 ムーアの法則とは何か
トランジスタから集積回路へ
シリコンの書物
ゴードン・ムーアの予言
なぜそれは法則になったのか
半導体だけではない
コンピュータという万能機械
チップの中の汎用コンピュータ
第2章 ムーアの法則のもたらす9つの変化
情報インフラはコモディティ化する
問題はボトルネックだ
人間がボトルネックになる
情報は個人化する
垂直統合から水平分業へ
業界の境界はなくなる
中央集権から自律分散へ
系列関係から資本の論理へ
国際化からグローバル化へ
第3章 ムーアの法則にどう対応すべきか
ユーザー中心の進化
ハードとソフトを分離する
すり合わせの神話
非コモディティ化の戦略
プラットフォームを変える
ものづくりからサービスへ
ボトルネックは著作権
個人情報保護法という障害物
国際競争力という妄想
ダーウィン的メカニズム
グローバル資本主義による企業再編
終章 孤独な世界の中で
IT は格差を拡大する
放たれた魔物