英語のテストと言えば、日本ではTOEICがまず真っ先に思い浮かぶが、ヨーロッパでは当たり前のようにケンブリッジ検定試験だ。
自分もイギリスに留学するまで全く知らなかったけど、イギリスの語学学校では試験対策コースが設置され、1年ほど留学している生徒のほとんどがFirst Certificate in English (FCE)という試験を受ける。
レベル的には中上級だが、日本人でも一年留学してしっかりと勉強すれば、まず問題なく取れるレベルのテストだ。試験自体はスピーキング、ライティング、文法と語彙力テスト、それにリスニングと全分野を網羅しており、試験対策のために勉強するだけでも総合的に英語の能力を高めることが出来る。
実際に試験官が直接面接してスピーキングのテストを担当する関係で日本での普及度は非常に低いが、ヨーロッパではTOEICなんて誰も知らないだろうが、ケンブリッジ検定試験のことはみんな知っている。
語学を上達するための必須の要素として、「目標設定」があるが日本人が今だ中々コミュケーションを成立させることが出来る英語力を身に付けられないのは、間違った目標設定をしていることも一因ではないだろうか。
TOEICは「英語を出来ない人を足切り」するには適したテストだと思うが、「英語が出来る人」をきちんと評価するテストとしては問題が多い。特にコミュケーションを成立するうえで欠かせないスピーキングとライティングのスキルを計らないのは問題だ。(もちろん、TOEIC SWとして称して、それに取り組む姿勢を見せているが、正規のテストにそれを組み込まない限り、永遠に言われ続ける批判だろう)
今の英語学習者の多くはTOEICで高得点を取ることを主眼としており、そのための対策を取ることに余念がない。だが、それははっきりと言って時間の無駄だ。本来ならば、「コミュケーションを成立させるために十分な英語力」を身に付けることを目的とするべきで、そのための習熟度を計るためにテストが存在する。
だが、実際はTOEICで高得点を取るために英語を勉強している学習者がほとんどだと思う。自分自身、イギリスに留学中にケンブリッジ検定試験(FCEよりも一個上のレベルのCAE)を受けて合格し、日本に帰国してから何の対策もせずにTOEICを受けたが問題なく900点は取れた。(ちなみにCAE対策コース取って、クラスで一番の劣等生ながらも何とか合格しました。そのときの顛末は「語学学習に役立つ自己否定について」に詳しいです)
TOEICはテストとしては非常に完成度は高く、初心者から中級者までを選別するのには適したテストだ。しかし、英語を仕事で使うレベルである中上級者から上級者までの英語力を計るテストしては全く適していない。そのことを念頭に置いて、TOEIC試験対策はほどほどに、きちんとした使える英語の勉強をしたほうがよほど今後の人生に役に立つ。
TOEICで高得点を取った人たちは腕試しに、ケンブリッジ検定試験を受けてみるといいかもしれない。小手先のテクニックは全く通用せず、きちんと英語力を身に付けないと太刀打ちできないことがお分かりいただけると思う。