少し前の日経ビジネスに沖縄特集がありました。基地問題のみならず、歴史的にも経済的にも様々な潜在的問題を抱えている沖縄が今、熱い、という内容でした。事実、読めば目からウロコのような記事がたくさんあります。
例えば、マクドナルドの店舗売上げは沖縄が日本で圧倒的上位であったり航空貨物の扱いが成田、関空についで日本第三位で戦略的空港となりつつあることなどは案外知られていない事実かもしれません。
以前、私は沖縄でカジノを解禁したらどうか、ということをこのブログに書いたと思います。当時、カジノ解禁論が超党派の議員を中心に活発に議論され、具体的なエリアの名前も挙がっていたと思います。が、東京とか、大阪といったメジャーシティに対しては私はどうでも良いと思っています。沖縄のどこかがベストなのです。
理由はメジャーシティのそばですとパチンコ業界からの強い反発で政治問題となりやすいのですが、沖縄ですとそのインパクトがやわらげられます。それ以上に沖縄なら台湾、香港、中国本土、更には韓国からのアクセスが非常に良く、ギャンブル好きな中国人にはもってこいなのです。
元来、カジノは非日常性を伴う方がビジネスとして成長しやすいものです。日本人はどうしてもギャンブルとしてのカジノを捉えてしまうのですが、ラスベガスなどに行くと分かると思いますが、基本的にはリゾートなのです。カジノはエンタテイメントの一部であるという考え方が日本人にはなかなか分かってもらえません。沖縄にはリゾートとしてのポテンシャルがあるのですから考え方を180度転換する必要があるのです。
経済の話に戻すと台湾とは目と鼻の先ですし、上海もすぐそこだという地の利を考えれば沖縄を戦略的地域として考えてこなかったほうがむしろ不思議だったということでしょうか? 沖縄は基本的に県民の収入が全国平均より2~3割低いようですから考え方によってはわざわざリスクが高い中国で工場展開するより沖縄で安定的、且戦略的に展開するという選択肢も当然ありうるのではないでしょうか?
一昔前、週末海外旅行というのが流行りました。金曜日の夜の飛行機でリゾートに飛び、月曜日の早朝に帰ってくる便で週末を目一杯楽しむスタイルでした。私の記憶が正しければそのディスティネーションはグアム、サイパンでした。決して沖縄ではなかったのは沖縄が一番高かったからそのようなパッケージがポピュラーにならなかったのだと思います。今、LCCを使った沖縄便ならばその当時果たせなかったプランが実現できるのではないでしょうか?
沖縄に限らず、日本には潜在的資産価値のある地方都市がたくさんあります。それに目もくれず、やれ、中国、ベトナム、バングラディッシュという海外志向があまりにも強くなりすぎているともいえるかもしれません。地方は企業誘致のための固定資産税や地方税などの優遇措置を強化すべきです。韓国は外国企業誘致のためのプランがたくさんあります。日本はその点、驕っていたとすればどうでしょうか? 何故、マクドナルド販売日本一が沖縄なのか、その理由をじっくり考えてみると我々はもしかしたら大事なものを見落としているような気がしてきます。
今日はこのぐらいにしておきましょう。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2012年8月29日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。