ソーシャルゲーム協会JASGAの設立 --- 中村 伊知哉

アゴラ

2012年11月8日、「一般社団法人ソーシャルゲーム協会」(Japan Social Game Association 略称:JASGA)を設立致しました。


2007年にソーシャルゲームが誕生して以降、その市場規模は急速に拡大しています。また、スマートフォンの普及等により、多くのお客様にソーシャルゲームを楽しんでいただけるようになりました。

しかし、コンプガチャ問題など、ソーシャルゲームに対する不安や社会的な問題が呈される状況も招きました。そこで、お客様がより安心して安全に利用できる環境を整備していくことが急務と考え、プラットフォーム事業者6社によるソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会を設置し、各種ガイドラインの策定等を実施してきました。

今後はソーシャルゲーム提供会社や有識者・学識者の方々にも広く参加していただき、業界全体で社会からの要請に応えていくと共に、ソーシャルゲームを通じた社会・文化への貢献と産業振興による経済の発展への寄与を目的として、新たに協会を設立することとした次第です。

メンバーは、ソーシャルゲームプラットフォーム事業者6社(NHN Japan株式会社 グリー株式会社 株式会社サイバーエージェント 株式会社ディー・エヌ・エー 株式会社ドワンゴ 株式会社ミクシィ)、そしてゲーム業界を代表して、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)・一般社団法人日本オンラインゲーム協会(JOGA)。さらに、ソーシャルゲーム提供会社 や通信会社など計46社からの発足です。これから会員を募集、増やして参ります。

ここに至る動きには、正直、激しいものがありました。2012年3月21、プラットフォーム事業者6社による連絡協議会(6社協)を設置、その後「コンプリートガチャガイドライン」、「ゲーム内表示に関するガイドライン」、「リアルマネートレード対策ガイドライン」、「コンプリート ガチャ等に関する事例集」を策定してきました。その間、消費者庁からコンプガチャに関する通達も発出されました。それを受け、7月29日には新団体設立に向けた準備委員会が開催され、消費者庁、総務省、経産省とも相談しながら準備が進められてきたわけです。

代表理事・共同会長には、グリーの田中良和社長とDeNAの守安功社長が就きます。その他理事として、ミクシィ笠原健治社長、サイバーエージェント藤田晋社長、NHN森川亮社長、ドワンゴ夏野剛取締役、CESA鵜之澤伸会長、JOGA植田修平会長。

諮問委員会の委員長に堀部政男一橋大学名誉教授。わが融合研究所会長であり、安心ネット協やEMAを共に動かしてきた師匠です。KMD奥出直人教授、ECネットワーク原田由里理事、森亮二弁護士にも委員をお願いし、今後さらに増員予定です。

そして、ぼくが事務局長を務めます。なぜ務めることになったかは、次回書きます。

設立当初は主に以下3つの内容に重点をおいて活動します。

1.ソーシャルゲームに対する自主規制
従来、ソーシャルゲーム提供会やプラットフォーム事業者が担ってきた自主的な取り組みに加えて、プラットフォーム事業者に対する書面審査及びソーシャルゲームのパトロールやお客さまからの情報提供にもとづいた対応を実施します。

2.少年等に対する啓発活動
ホームページやリーフレット等のツール、シンポジウムやイベント参加等を通して、業界の課題の解決から産業振興まで幅広く対応します。

3.カスタマーサポート(CS)品質の向上のた活動
ソーシャルゲーム業界関連のお問い合わせに対し、各社のCS窓口が中心となり業界が一体となって対応する体制を構築します。

年内には協会としてのガイドラインを策定し、年度内にはプラットフォームの審査やパトロール業務、情報提供業務をスタートさせ、3月に慶應義塾大学で開催されるワークショップコレクションにも協会として参加できるよう立ち上げていきたいと思います。

ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2012年11月13日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。