ユニクロを批判した新刊書が売れ行き好調と聞いた。「ユニクロ疲弊する職場」と早速週刊誌もユニクロを取り上げた。
ネットでもユニクロ叩きは今や定番メニュー化した様である。
仮にユニクロが、彼らの主張する様な問題山積の会社であるならば株価は下がってしかるべきである。それも家電製造業の如く。
しかしながら、ユニクロを傘下に保有するファーストリテイリングの株価は綺麗な右肩上がりのチャートで上昇を続けている。
この一年間で株価二倍を達成している。そして、皮肉にも日本国内でのパッシングが強くなった最近になって、まるでユニクロ叩きを行っている人間を嘲笑するかの如く連騰を続けている。
外国人投資家がユニクロを高く評価し、親会社ファーストリテイリングの株を買っているに違いない。
「グローバル脳」と「ローカル脳」のユニクロを巡ってのコントラストの違いが眩いばかりである。
国内ユニクロ売上情報を観る限り、ユニクロの業績は至って順調である。日本がデフレで苦しんでいる市場とはとても思えない。
ユニクロの店舗は疲弊していると批判されているが、この結果を見る限り日本企業はもっと疲弊すべきとの結論となる(要は従業員はもっと働け!という事)。
企業業績を判断する上で手っ取り早い直近の四半期決算は絵に描いた様な増収増益。
しかしながら、ユニクロ 「離職率3年で5割、5年で8割超」の人材“排出”企業という、離職率の高さが攻撃されている訳である。
「正義の味方」のお面を被って仕事をしたがるマスコミに取っては格好の材料である事は事実である。しかしながら、冷静になって背景など良く精査せねばならない。
例えば地方公務員の離職率は低いと思うが、楽して、ものを考えず、競争から逃げているので結果工場立地の面でアジアの新興産業国に負けてしまった。
今後、地方公務員が自ら離職する事はないが大規模なリストラは止むを得ない話である。こっちの方が問題は遥かに重篤のはずである。
それから、離職率の高さの責任をユニクロにのみ求めるのは不公平と思う。ユニクロに就職した若者のレベルが低くついて行けないとか、或いは、根性がないといった離職者側にも問題があるはずと推測する。
ユニクロを好き勝手に批判する人達は現在社会や教育システムが完璧であると誤解しているのではないか?
大学が教育機関として機能せず、実質、プータロー、ニート養成所であればユニクロに入社後脱落するのも止むを得ない。世界市場で競争するユニクロが彼らのレベルに迎合する事は出来ないし、又すべきでもない。
大学入学時の学生のレベルが低過ぎ、大学では最早如何ともし難いという事であれば、それ以前の小学校、中学校、高校の教育システムや中身がどうか?という話になる。
飽く迄外から観ているだけであるが、大津の中学生自殺事件から始まった一連の虐め問題が焙りだしたのは「教育委員会」の無能、機能不全であった。
そして、更には左巻き日教組に汚染された現場教師の頭の中は自己の「保身」以外空っぽという事実ではなかったか?
さて、長々書いたが結論に至らねばならない。
ユニクロは、株式市場という透明且つ開かれた場所で世界から高く評価されるエクセレントカンパニーである。
一方、離職率が高いという問題もある。
これについては、地方公務員を筆頭に他が余りにぬるま湯なのでは?という疑問を検証せねばならない。
一方、「教育改革」を断行し若者のレベルを向上さす事での問題解決も図るべきと思う。
安倍内閣は今の所、「外交」、「安全保障」と立て続けに正しい方向に舵を切っている。これに加え、「教育改革」に道筋を付ける事で今世紀の日本に再び繁栄をもたらして欲しい。
山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役