『アベノミクスで日本はどこへ行く?』
安倍晋三首相の意を受けて・いままでにない次元・の大胆な金融政策を打ち出した黒田日銀総裁。市場や経済界は大歓迎だが、本当に日本はデフレから抜け出せるのだろうか? また、物価は目標どおり2年で2%上昇するのか? いずれにしても物ごとの本質を捉えた議論なくして予測しようとしてもなかなか難しい。
本書は、現在の円安の本当の理由、デフレの正体など、今回のアベノミクスの効用を、慶應義塾大学准教授の小幡績氏と経済学者池田信夫氏両者が忌憚なく交わした対談録である。非常にわかりやすい言葉で語られているので、現在日本が置かれた状況を簡単に理解できる。
【目次】
第1章 黒田体制で日銀はどうなるか
黒田総裁への評価は意外に高い
相場が信じれば株価は動く
第2章 円安の原因はアベノミクスか
為替はなぜ動いたのか
円安はどこまで行くか
円安は日本経済の実力
デフレもインフレも実体経済の反映
第3章 デフレの正体は賃下げ
日本経済は「デフレ不況」ではない
量的緩和でインフレ予想は起こらない
バブルの教訓
物価と資産価格の動きの分離
賃金の引き下げがデフレの原因
本丸は労働市場
第4章 アベノミクスは副作用の強い偽薬
バブルは再来するか
財政ファイナンスのリスク
安倍首相の取るテールリスク
金利上昇で何が起こるか
輸入インフレは起こるか
第5章 停滞から脱却するには
日本はもう「貿易立国」ではない
本丸は労働市場改革だ
世界的に進行する新興国との賃金の「大収斂」
人材の活用が成長の鍵
(アゴラ・シングルシリーズ:A5版で60ページ相当)