三鷹市議会に見る地方議会のお手盛り論争 --- うさみ のりや

アゴラ


地方公務員の待遇っていうのはバラツキが激しいのですが、場所によってはかなり待遇がいいことで有名なところがあります。

都内だったらそれは三鷹市で、三鷹市の公務員の平均年収は800万円オーバーです。国家公務員の平均年収が600万円程度なので、平均で比較するのもなんですが相当割高なのは間違いないでしょう。もちろん財政に苦しいところの給与は低いですし(夕張なんかは400万程度)別に、地方公務員の給料が高い、というような紋切り型の批判をここでする気はないのですが、やはり三鷹市議会では度々職員の厚遇について議会で論争になっています。


本日もそんな議論が行われていたようで、無所属の半田俊明議員が状況が変わらないことについて「部・課の数がほとんど変わらないのに、部長・課長の人数が増えていることは、部長・課長を組織数以上に作ることで実際は、給与の底上げを図るお手盛りと言われても仕方がない運用ではないのか?」と質問したところ(ごく当たり前の内容ですよね)、清原慶子三鷹市長が激高し「質問の内容を訂正しろ「お手盛り」という言葉は議会の場にふさわしくない。議事録から削除しろ。」と答弁したそうです。

半田議員としては「お手盛りって別に差別用語じゃないし、何が問題なんですか」と抵抗したものの、最終的に伊藤俊明市議会議長が職権で議事録から「お手盛り」という発言が削除してしまった模様で、「そりゃないよ~」というtweetを連発していました。

別に地方議会に良くある首長と議会のなれ合い政治で、どうってこと無い話なんですが、いかにも日本の地方議会らしい話で「ルールを守る」よりも「空気を読む」ことが議長の仕事になってしまっている典型で、誠に悲しい次第。折角地方自治体の首長は市民から直接選ばれるにもかかわらず、多くの日本の地方行政では首長と議会は阿吽の呼吸でなにも議論しないのが良いとされているんですよね。こちらもお手盛りというわけです。

1を持って10を知るようなこと言うのは恐縮だけれど、地方自治体って瀕死なところが多いんだから、地方議会っていうのはもうちょっと緊張感のある場であるべきなんじゃんなかろうか。とそんなことを思っております。もちろん阿久根市みたいにいたずらに対立されても困るわけですが。

ではでは今日はこんなところで。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年6月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。